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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

132)何でもない日でビジネスは決まる

マーケティング講座

こんにちは! 阪本啓一です。
「何でもない日」を大切にしましょう!


何でもない日こそ

アニメ映画「不思議の国のアリス」で登場人物たちが、「何でもない日バンザイ!」という歌を歌い踊るシーンがあります。作品にあふれる不条理感が増す曲なのですが、先日、久しぶりに観ていて、「ひょっとするとこれは経営の要諦かもしれない」と思い付きました。

本原稿執筆時、世の中はまさにホリデーシーズンです。クリスマスカードや年賀状はどんな時代になっても貰って嬉しいものですね。でも、こんなものの見方もありますよ、というのが今回のお話。

シーズンにカードを出すのは当たり前で、受け取る側も、たくさんのカードの中の1枚としてしか、あなたのカードを見てくれません。個人宛ではなく会社や組織宛にカードを出した場合、カードの隅に穴を開けられ、リングで留め、部署内で回覧されて終わりです(だから、カードの宛名は必ず会社宛ではなく、個人宛にしましょう)。カードデザインで目立つ方法もありますが、それにも限度があるでしょう。

では、どうするか。何でもない日に、カードを出すのです。それも、ただ出すだけではなく、出し続ける。コツコツと。



彼女が儲け続ける理由

知人の日本料理店の女将は毎月10日過ぎにお客様へハガキを出しています。内容はちょっとした日常の話題ですが、ホリデーシーズンじゃないからこそ、他のハガキに埋もれずに、「読んでみようか」と思います。

私の主宰するJ OYWOW塾塾生Aさんは女性経営者。リアル店舗のほか、2つのネットショップを運営し、さらに今年、3つめのネットショップブランドを立ち上げました。デフレでモノの価格が超低空飛行の日本にあって、低価格を売りにすることなく、各ブランド本来の提供価値をしっかり発信することによって、どの店舗も儲かっています。新ブランドは立ち上げから絶好調ですし、既存のショップも前年比30%、20 %の伸び。Aさんのブランド戦略の確かさや社員全員のチームとしての熱い団結力がその理由ですが、私の見るところ、それだけではありません。それらのグッドパフォーマンスを支えるベースとしての、「Aさんのコツコツした努力」があってのこと。

つい先月、Aさんがオフィスへ遊びに立ち寄ってくれまして、雑談をしていた時、「栗で作った焼酎がある」話題になりました。「珍しいですね」、と返していたのですが、その数日後、宅配便で荷物が。開けると、話題にしていた栗焼酎です。中には手書きメモ(とってもきれいな一筆箋)。

「先日お話していた栗75%の焼酎です! 是非ロックでお飲みくださいね〜。香りが広がります。4万10時間(4年7カ月)も洞窟で貯蔵されたレアもので、『ガラスびんデザインアワード』で最優秀賞を…」、云々と書かれています。

その日は別に記念日でも何でもありません。何でもない日に届いたからこそ、その日JOYWOWオフィスでは、「4年7カ月!」「四国の四万十川とひっかけているんでしょうね」「Aさんのサイトって、どんなショップだっけ?」とAさんの話題で持ち切り。Aさんが儲け続ける理由は、この「何でもない日を活かすコツコツした努力」なのです。



努力の積み重ね

冥冥(めいめい)の志なき者は、
昭昭(しょうしょう)の明なく、
惛惛(こんこん)の事なき者は、
赫赫(かくかく)の功なし

『荀子(じゅんし)』の言葉です。意味は、「内に秘めた志なき者に輝かしい名誉など表れてこない。誰も見ていないところで、コツコツと努力を積み重ねることのない者に明らかな功績など表れてこない」。

「誰も見ていないところで」と言いますが、お客様は必ず見ています。買っていただいたら、その日のうちにお礼のカードを出す。何かお客様の気に入りそうな新商品が入荷したら、時を待たずお知らせする。ただカードを出せば良いというのではなく、あくまでお客様を固有名詞として知っていて、マン・ツー・マンで接客するつもりで。そのために、日頃からお客様1人ひとりについて、どれだけ知っているか、知ろうとしているか、が決め手になります。1年365日の内、クリスマスやバレンタインなどのイベントデーより、むしろ何でもない日の方が多いですよね?ビジネスに活かさない手はありません。

何でもない日バンザイ!



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(2010年1月16日号掲載)