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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

152) 共感で繁盛する!

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。 愛が共感を呼びます!


当たり前の時代

私はクライアントと話す時、 よく、 私たちの置かれているビ ジネス環境を指して、 「ワール ドカップみたいにハイレベル」 と言います。 なぜなら、 現代の 生活者 ・顧客にとって、 品質が 良くて当たり前、 おいしくて当 たり前、 値ごろ感があって当た り前、 サービス水準が高くて当 たり前…。 つまり、 「当たり前の 時代」 に私たちがいると考える からです。  

その中で、 顧客から 「選ばれ る」 ためには、 どうすればいい か。 つまり、 製品・サービスの品 質を高め、 一所懸命エンジニア リングして価格を値ごろ感ある ものへと練り上げ、 顧客と接触 する社員をトレーニングするだ けでは、 「選ばれるに足る」 水準 に到達できないわけです。  

OKバーが高いですよね。 こ れを指して私は 「ワールドカッ プ」 と言っているのです。


「共感」 が鍵

そんな中、 「選ばれる」 ための キーワードが 「共感」 だと考え ています。 「オレ、 あのブランド 好きなんだ」 「私、 あそこのお店 ひいきにしています」 というエ モーショナルな共感。 どちらか というと右脳に響く感覚です。  

共感を得るためには、 ビジネ スの 「あり方」 が問われます。 ツ イッターなどのソーシャルメ ディアのおかげで、 企業の中身 は生活者・顧客にとってガラス 張りになって、 飾れません。 前 号で触れたザッポス (zappos. com) がカルチャーを育む目的 は、 このガラス張りの環境で直 接・間接に顧客と接触する社員 が 「公私ともにザッポス流のあ り方を通すため」 です。


「ミスター行列」 の愛

このたびライトハウス・ハワ イさん、 アロハストリートさん (と協賛企業各社) のおかげで ホノルル・セミナーを開催させ て戴きました。  

10 年ぶりのホノルル滞在で現 地のビジネスを観察し、 経営者 の皆さんと話していてあらた めて感じたことは、 ホノルルで のビジネスはワールドカップよ りさらにハイレベルな厳しい 環境ということでした。 レント が高い上、 どんどん上がる。 「水 面 (損益分岐点) 」 が相当高いの で、 顔を出すだけで一苦労。 だ から、 ホノルルの物価は相当高 いものになってしまっていま す。 水やパンといった生活必需 品ですら、 日本のコンビニの方 が相当安い。 企業サイドも大変 だし、 生活者 ・顧客サイドも大 変という、 厳しい環境です。 し かしこれはレントという構造的 な要因が底にあるので、 簡単に は変わりません。 経営の与件と して考えざるを得ないのです。  

そんな中、 ライトハウス込山 雄三氏のご紹介で、 牧野通氏と お目にかかることができまし た。 氏は在米 30 年、 その間 50 店 舗以上のオープンに関わり、 い まやレストラン業界では誰知ら ぬ人のいない伝説の 「ミスター 行列」 です。 牧野氏の手掛けた レストランはいずれも大繁盛、 長い行列ができるので、 「ミス ター行列」 と呼ばれています。  

この秋 ( 10 月 15 日) 、 サンリオ と初めてコラボレーションし、 「マキティ・ハワイ」 というシー フード&スイーツバッフェをワ イキキのど真ん中にオープンし ました。 開店準備で忙しい、 ま だ工事現場の店内でお会いしま した。 初対面にもかかわらず、 牧野氏は熱くビジョンを語って くださいました。  

「ワイキキを元気にしたい」 「観光客はもちろんだけど、 カ マアイナ (在住者) に来てもら いたい ( 20 %OFF、 パーキン グは 2 時間 2 ドル) 」 「おいしい 食事を食べてもらいたい」 。

一例を挙げると、 朝食は岡山 県湯原温泉旅館自慢の山里の和 朝食が食べられます ( 14 ・ 98 ド ル) 。 温泉旅館のおいしい和朝 食は、 日本にいても嬉しいもの。 ましてハワイでおいしい和食を 朝食に食べられたら最高ですよ ね。  

ワイキキの飲食店における イノベーションと言えます。 低 価格だというだけの話ではな くて、 まさに 「市場の白紙を埋 め自らフィールドを作る」 戦略 です。 私は、 牧野氏の 「顧客への 愛」 を感じました。  

この 「愛」 が、 顧客の共感を呼 ぶのだと思います。 共感のため に必要なのは、 商人としては当 然のことながらつい忘れそうに なる、 顧客への愛です。


阪本さんの新著書が9月に発売!
『共感企業〜ビジネス2.0のビジョン』(日本経済新聞出版社)
http://amzn.to/bVIIkm

(2010年11月16日掲載)