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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

35)JOYがあれば大丈夫
【まずは笑ってみよう!】

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
仕事にJOYはありますか?


仕事、楽しいですか?

 唐突ですが、仕事、楽しんでやっておられますか? 楽しい、と答えた人の会社は好業績、残念ながら楽しくない、という人の会社は対策を講じる必要のある問題を抱えておられるはずです。

 といいますのも、会社の業績の良さ・悪さは、そこで働く人々がJOY=楽しさを感じられているかどうかでわかるからです。ホント? そんなに簡単にわかるの? と思われるかもしれませんが、本当です。

 経営コンサルティングの仕事といえば、透き通った経営理論を駆使し、論理を組み立て、仮説と検証を繰り返し…という慎重なプロセスを経て「隠されている問題」を診断し、必要な処方をする、という仕事のように一般的には思われています。もちろん、そのようなアプローチを取るコンサルティング会社もあります。

 しかし、常に人と違うことをすることを身上としている私は、一歩その組織に踏み入れたときの「空気が楽しいかどうか」で判断します。これは実は独立してコンサルタントになる前の、建材の営業マン時代からやっていたことです。笑い声が聞こえるかどうかだけではなく、その場の空気というものはあるものです。そして、その空気はそこにいる人間が発する「気」でできています。プラスの気、プラスの言葉が交わされている組織は、やはり業績が良いのです。


まずは笑ってみる、笑い飛ばす

 鉄鋼、非鉄金属など素材を中心にグローバルにビジネスを展開している阪和興業では、何かトラブルが起こったとき、「とにかく笑ってみる」「笑い飛ばす」ことが風土のようです。大きい問題であればあるほど、大笑いする由です。

 同社のF氏から私が直接聞いた話。F氏、重要な商談のため中国出張に向かいました。パートナー社の担当者とは成田空港で待ち合わせ、同行する予定です。もうすぐ空港に到着するという地点まで電車が来たとき、F氏はあることに気づいてアタマから血の気がひいていきました。パスポートを忘れたのです。F氏は中東駐在を始め、世界を飛び回っているビジネスマンですが、「だからこそ」こういう基本的なミスをしてしまったのでしょう。このとき、氏が事情と飛行機に乗り遅れる旨を報告する電話を受けた上司の第一声が、大笑いだった由です。


日本がWBCで優勝した理由

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本チームは感動の優勝を果たしましたが、チームのムードメーカーは、あのイチロー選手でした。喜怒哀楽を表に出し、空気を作っていました。日本代表チームに選ばれるほどの選手たちなのですから、野球の技術は充分あるのです。世界の強豪相手に勝つためにやはり一番大事なのは、「言うに言われぬ一体感」ではないでしょうか。そして、「言うに言われぬ一体感」はどこから来るかというと、「人間らしさ」、すなわち、感情を表に出して一緒に楽しむ、一緒に悔しがる、という「感情の一体感」だったと思います。

 WBCは勝負事なので、場合によっては怒る必要もあったのかもしれませんが、経営においては、喜怒哀楽のうち、「怒哀」はできれば避けましょう。マイナスの気が出るからです。「喜び、楽しむ」、それが一杯会社の中に満ちていれば、あるいは、満ちることができるような仕組み作りができていれば、それだけで業績は上向きます。


JOY含有率だけを気にしましょう

 経営者は、「自社内におけるJOY含有率」を唯一の経営指標にしてください。みんなの顔に笑顔があるかどうか。電話が明るく、フレンドリーなものか。来社(店)するお客様が笑って帰るかどうか。

 前号で書きましたが、そのためには、明るくプラスの言葉が満ちている必要があります。「ありがとうございます」「おかげさまで」「嬉しい」「やったね!」「がんばったな!」「やったー!」「さすがだ!」などの言葉です。

 ご法度は「何やってんだよー」「ちくしょー」「アホ・ボケ」「許せない」などのマイナス言葉。

 そして、企画が通るかどうかのものさしも、「その企画をやることが楽しいかどうか」にしましょう。企画を実行する人たちが楽しくなくて、お客様が楽しんでくださるはずがないのです。

 どうせ毎日やる仕事なら、楽しく、JOYに満ちたものにしましょう!

 JOYがあれば大丈夫です。

(2006年5月1日号掲載)