働く
JOB

アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

62)繁盛するためのネット講座

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
前回にひきつづき、ネットビジネスで繁盛するためのスキルについてお話したいと思います。前回述べたネットの特性を生かしきり、
固定客を獲得し、維持しつづけるには何をすればいいのでしょうか。


「看板娘」を作る

 「他のどこにもないとんがった商品」を創りましょう。いわゆる「看板娘」です。例えば、バケツプリン。文字通りバケツに入ったプリンです。量が大きいだけではなく、味もおいしい。地元福島県いわきの「低温殺菌低圧力で、乳脂肪を壊さない製法で作られた」牧場直送のおいしい牛乳が成分の約半分(45%)も占めています。それに上質の生クリーム、「エサからこだわって飼育した鶏から生まれた『生粋たまご』」「妥協せずに作ったカラメルソース」などが使われているとの由。こうして書いているだけでも食べたくなります(笑)。


主役は他にあっていい

サイト(http://www.kamasho.jp/)を訪れると、こんな文字が躍ります。「子供の頃、バケツいっぱいのプリンを食べるのが夢でした。」思わずニヤリ、としちゃいますよね? 発売開始と共に2〜3分ですぐに売切れてしまう超人気商品。

 この会社釜庄(福島県いわき市)は創業1827(文政10)年の老舗、海産物が売りのお店だったようです。それがスイーツも製造販売を始めたところ、「『幻のチーズケーキ』で一躍有名になり、出す商品が次々と大ヒット! 1カ月に1万個以上完売し、それでも生産が追いつかないほど!」とのことです。

 もともとバケツプリンは「主役」ではないことにご注意ください。そうです。主役はちゃんといる(海産物や各種スイーツ)のですが、「看板娘」として、お客さんをお店にひっぱりこんでくれている、というわけです。


強いデリバリーを築く

 デリバリーの本質は「ピンポイント納期」「納期アレンジの柔軟性」です。誕生日や記念日など、「その日の前でも後でもダメ、ピンポイントにその日でなければ意味がない」納期に間違いなくお届けできるか。あるいは、オーダー時の納期をお客様側の都合で変えたくなったとき(パーティーの日程が変わった)、柔軟に変更対応できるか。

 多くのショップは「それは運送会社マター」として考えがちですが、違います。本質は、ネットショップ側にあるのです。前述のバケツプリンは、鮮度が重視される商品特性を持っていますが、冷凍商品の開発でデリバリー問題をクリアしました。強いデリバリーは固定客を維持する秘訣です。


電話、メールに強くなる

 お客様は、電話やメールの印象で、「次またここで買おうか・やめるか」を決めています。リアルな店舗であれば、直接お目にかかった全身接客ができますが、電話もメールも、「顔が見えない」ハンディキャップ接客だけに、細心の注意が必要です。お客様が「なぜ・どんなときに」電話/メールをしてくるかという動機を考えなければなりません。

 「わからないとき」「もっと詳しく知りたいとき」「クレーム」です。いずれも、お客様からの矢印がお店に向かっているとき。ありがたいことなのです。こちらからピンポン呼び鈴を押さなくても、お客様の方から連絡してきてくださっているわけで、「話をするパーミション」を下さっているのです。まさにチャンス! ここで、あなたのお店の商売力が試されます。

 結局、「電話/メール力」というのは、「いかにお客様の伝えたい話を間違いなく汲み取ることができるか」に尽きます。過不足なく汲み取り、的確に答える。この訓練を日頃から続けてください。よって、ウェブマスターは、「パソコンのできる人」ではなく、「顧客と正しくコミュニケートできる人」が適任です。

リアルを共使いする

 アマゾン・ドット・コムが創業間もない頃、創業者ジェフ・ベゾスサイン入りのレターをもらったことがあります。1セント切手が10枚、同封されていました。その年、アメリカで郵便料金が1セント値上がりしたことにひっかけ、「日頃のご愛顧に」。「皆様の日頃のご贔屓にお応えしたくても、ネットショップのアマゾンとしては、代わりにクリーニングを取りに行ったり、お料理をしたりすることができません。せめてもの気持ちを受け取ってください」。ネットであることを逆手に取り、リアルな郵便物を使って顧客のハートをつかむ作戦です。

 私はこの手紙を受け取ったとき、ジェフ・ベゾスがとても身近に感じられ、同時に、「アマゾン」ブランドに親しみを覚えました。ブランドはお客様からいただく「ご贔屓票」をどれだけ積み上げられるかで強さが決まります。ネットショップだからこそ、葉書などのリアルな飛び道具を有効活用しましょう。

 ネットこそ、「本物の商売力」が求められます。

※参考:日野佳恵子氏(株式会社ハー・ストーリィ)講演

(2007年6月16日号掲載)