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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

80)氷河期の乗り越え方

マーケティング講座

こんにちは! 阪本啓一です
誰しも、「落ちる」時があります。その時こそ、チャンス。


「落ちる」時

 商売ですから、いけいけどんどんでアクセルを全開にしているときもあれば、何をやっても裏目、むしろこんなことなら家でじっとしていたほうがいい、という逆風のときもあります。ビジネスだけではなく、個人でも、生身の人間である以上、「氷河期」って、ありますよね? 

 思うように結果が出ない。打つ施策すべて外してしまう。思わぬ部署に配属された…など。今回は個人の氷河期の乗り越え方に焦点を当ててみます。


私の場合

 いやもう、それはもう、たくさんあります(笑)。会社員の頃が1番きつかったですね。入社3年目で、広島に転勤を命じられました。同期の中で転勤したのは私が1番早かった。「君が優秀だから早いんだ」と当時の上司が転勤命令を話すとき言っていましたが、ウソですね(笑)。

 24年経ち、人生経験もビジネス経験も積み、立場も経営者となった現在、当時の自分を振り返ると、「同期の中でトップの優秀さ」など、みじんもないことがわかります。何と9年も広島にいてしまいました。いい同僚、上司、生活環境に恵まれていました。しかし、長すぎた。


「置いていかれる」不安

 日本全国バブルの熱を上げ始めていた時代でもあり、東京、大阪が特に華やかに見えました。まだ20代の私にとって、たまに出張で訪れる東京のキラキラする輝き。転職が珍しい時代に、やれ同期のA君が外資系金融に引き抜かれた、後輩のB君が同業他社に転職した、C先輩が独立して新規ビジネスを始めた、などという話が頻繁に飛び込んでくると、何だか自分だけが置いていかれる気持ちがしました。今でも覚えています。

 出張先で、地方都市の駅からビジネスホテルに歩いていて、周囲は真っ暗、今頃同期のE君は銀座を闊歩しているのだろう、N君は心斎橋でお楽しみなのかな、とウジウジやっていました。完璧に自分は置いていかれた、そう考えていたのです。


英語と1日1冊の読書

 その夜、ビジネスホテルのわびしい部屋で胸に浮かんだのは、仕事以外に何か自己を高めることをしないと、本当に「都会のみんな」に置いていかれてしまう、という焦燥感でした。何ができるか。自分の好きなことは何か。直感的に、自分に対してこの問いを投げたのです。
 
 答えは「勉強」でした。都会のみんなも簡単に手が出ないような高みに到達するほどの猛勉強をやろう! と。それは英語の勉強と、1日1冊ビジネス書を読むこと。英語は、英検を受験することに。読書は、ひたすら読むことを目指しました。感想文を書くとか、二次的な目標は立てませんでした。結果的にこれが良かったようです。目標設定の時には、シンプルに、後で検証しやすいものが良いですね。

土台となる

 英語は英検2級合格、1級は筆記試験で落第し、そのままです。でも、その後翻訳できるまでに上達。雑誌『TIME』を定期購読したのが効果的だったようです。読書は、何と、18年後の現在も続いています。出張で移動が多い時は1日2冊読むことも。この読書体験が現在の私の知的活動の土台となりました。つまり、広島に長くいて、都会の同僚との距離で焦ったことは、プラスに働いたのです。氷河期は、プラスになるための必要な揺籃期なのです。


7億売るカリスマ添乗員も

 平田進也氏(51)。日本旅行のカリスマツアー・コンダクター。個人で7億3千万円の売上を達成(06年度)、ファンクラブまであり、その会員数1万8千人。何ともすごい人です。独立自営ではなく、サラリーマンという点が、サラリーマン経験者として凄みを感じます。出る杭に対する組織のネガティブ反応は、ただものではないですから。

 今日ご紹介したい点は、最強・平田さんでも、氷河期があったという事実。30代の9年間、後方支援の事務職をやっていたとき、「外に出てお客さんと過ごしたい」キャラの平田さんには、まさに氷河期だった由です。パソコンも不得手で、年下の社員に文句言われながら辛い日々を過ごしていました。

 そんな中、平田氏は、毎日、今日1日は自分にとっていい日だったか、悪い日だったか手帳につけることにしたそうです。いいことがあったと思える日は◎をつける。最初の1年、◎のついた日を数えてみると僅か46日。これではいかん、と◎を増やすように心のギアチェンジをした。すると、マイナスの日常の中に光を探すようになったのです。若い人に嫌味を言われたためにパソコンを覚えられた→◎という風に。マイナスが◎となり、その◎を見つめつづけるうちに、現在の平田さんの土台になっていったのでしょう。

 氷河期こそが、土台作り、ジャンプするためのエネルギー・チャージのチャンスなのです!