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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

44)固定客を作る簡単な方法
【「大仏さん」を作れ】

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
富士山を見るとなぜうれしくなるのでしょうね。


モニュメント作戦

 固定客とは、お店に何回も来てくれるリピーターのことです。今日は、リピーター作りの簡単な方法をお話しましょう。それは、「モニュメントを作る」こと。

 モニュメントとは、そのお店(会社)のシンボルとなる造形物です。話題になり、覚えやすく、想起してもらいやすくなります。「またあの**のお店に行きたい」という話題づくりに役立つのです。もちろん、店の中身を充実させることが1番肝心なのですが、今日はそこは置いておきます。


モニュメントたち

 思いつくままに挙げてみます。

・ラスベガス フリーモント通りアーケード
・ニューヨーク エンパイア・ステートビル
・ロサンゼルス ハリウッドサイン、ウォーク・オブ・フェーム
・ディズニーランド シンデレラ城
・パリ エッフェル塔
・東京 東京タワー、六本木ヒルズ
・大阪 万博会場の太陽の塔、かに道楽のかに看板、食いだおれ人形

 書いていて気づきました。富士山は日本という国にとってのモニュメントですね。外国から帰ってきて、日本に近づいた時、飛行機の航路によっては富士山が見えることがあります。窓から富士山が現れた瞬間、「帰ってきたなあ、懐かしいなあ」と思わずグッ、と胸に来た経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 怪獣映画やパニック映画で壊される「栄誉」(?)を得たら、それは都市を表現するモニュメントになった証左と言っていいと思います。かつてキングコングはエンパイア・ステートビルに登りましたし、今年日本で公開された映画『日本沈没』では、六本木ヒルズが倒壊するシーンが東京の破壊を象徴していました。

 日本では既に奈良時代(752年)に東大寺の大仏さんが完成しています。大仏さんも、人心を1つにまとめる大いなるモニュメントの役割を果たしたと言えます。


モニュメントを集客に生かした例

 松江の天神町商店街は菅原道真の幼少時代の姿を模したという「おかげ天神」像を置いています。「白布に清水を含ませ、願いながらご神像のお身ぬぐいをして拝礼すると、大神様の『おかげ』(ご神徳)がある」というので、主に年配のお客さんがリピーターとなり、多いときには1日1万人の来客があるといいます。他の多くの商店街と同じく、ここもお客さんの減少に悩んだ末のアイデアといいます。

 とげぬき地蔵で有名な巣鴨地蔵通り商店街は「おばあちゃんの原宿」とまで言われるほどの賑わいを見せていますが、ここにも「洗い観音」というモニュメントがあります。天神町商店街はこのアイデアをお借りした由です。

 大阪を拠点に日本全国(と、ハワイ)に店舗展開しているお好み焼きの千房。まだそんなに有名ではなかった頃、お店の中に絵馬と、書いた絵馬をかけておけるスペースを作りました。すると自分の願い事を書いた絵馬をまた見にくるお客さんがリピーターの柱となり、友人を誘って来てくれました。その友人もまた絵馬を書き…という具合に、「クチコミのきっかけ」となった事例があります。創業者の中井政嗣社長におうかがいした話です。


 皆さんのお店や会社も、何か名物となるモニュメントを作ってみてはいかがでしょう。それはたとえばオフィスを統一するカラーでも良いと思います。現在は変わっていると思いますが、その昔(1998年)、シリコンバレーのYahoo!本社を訪問した折、オフィスの全体がパープルに統一されていました。受付カウンターも、椅子も、壁の色も。非常に印象的で、1度見たら忘れられないイメージでした。

 このように、モニュメントは低コストで、高い効果の望める集客・固定客化の方法です。いつも笑顔で出迎えてくれる不二家のペコちゃん人形のような、楽しいモニュメントを、ぜひ用意しましょう。千客万来間違いなし!

(2006年9月16日号掲載)

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