税金の時効について

確定申告の時効と税務調査

確定申告や税金の支払いには時効があることをご存知でしょうか。また、その時効には税務調査も大いに関係してきます。今回は、確定申告の時効と税務調査について解説します。

確定申告の時効

確定申告には時効があり、それは「申告書を提出した日付」と「申告漏れの額」で決まります。2017年の締め切りである4月18日以前に申告書を提出したとしても、4月18日が時効の起算日です。ちなみに通常の確定申告の締め切りは4月15日ですが、今年は週末や休日の関係で18日となっています。もし、延長手続きを経て申告書を締切日以降に提出すると、申告書を提出した日が時効の起算日です。
さらに、申告漏れの額が所得の25%未満の場合は3年間で時効が成立します。それ以上の額の場合は6年間で時効が成立し、6年になることはあまりありません。
例えば、17年2月15日に確定申告書を提出し、所得の20%の申告漏れがあった場合の時効は、17年4月18日から3年後の20年4月18日です。この期間を過ぎると税務調査が入る可能性が少なくなります。
税金の支払いの時効は10年で、この期間内に国税庁(IRS)は税金を回収します。支払いの時効は納税額が確定した日付から数えるので、申告書を提出した日であったり、IRSが調査に入り納税額が確定した日であったりとさまざまです。個人・法人にかかわらず、申告に関連する書類は時効成立までの3年、不安な人は6年保管しておきましょう。

税務調査

では、どのようなときに税務調査が入るのでしょう。確定申告に誤りがあれば、修正して提出し直すのが一般的ですが、それを怠るとIRSや州の税務当局が調査に入る可能性があります。
また、税務当局が把握している納税者の情報と、提出された申告書を照合して違いがあるときも調査が発生しやすくなります。会社員が給与所得を得たときに受理する「W2」や個人事業主が仕事の請負先から受理する「Form1099MISC」などの書類は、本人だけでなく税務当局にも提出されていることを忘れてはなりません。刑法と違い、税法では自分の税について証明するのは納税者の義務です。
また、整合性の取れない経費が計上されていると、裏付けの取れる資料の提出を求められ、内容を精査される可能性が高くなります。個人事業主が自宅の家賃やガソリン代を経費計上すると、調査されやすい傾向にあります。

利子と罰金

税務調査が入り、追徴課税を受けると金利と罰金も発生します。金額は確定申告の締切日から加算され、未払い額に対し、月3%の利息、月0.5%の罰金、そして未申告には月5%の罰金も加算されます。

申告漏れの対応

仮に4年前の所得の申告漏れを発見したら、どう対応すればいいのでしょうか。3通りの方法が考えられます。
①申告書は4年前に提出済みで、所得の25%未満の額の申告漏れであれば、時効成立により対応の必要がありません。
②申告書が4年前に提出済みで、所得の25%以上の額の申告漏れであれば、時効未成立につき修正して申告をし直す必要があります。
③未申告には時効がないので、申告書を提出していない場合は提出義務があります。
もし「4年前の税金の過払い」を発見しても、確定申告の時効である3年を過ぎているのでお金は戻りません。
 
(2015年5月1日号掲載)

税金の時効について

「納税する義務」や「還付を受け取る権利」には時効があります。4年前の確定申告書に、「所得の申告漏れ」や「税金の過払い」を発見した場合、どのように対処するべきでしょうか。


税務調査

確定申告に間違いがあり、再提出を怠ると、米国国税庁(IRS)や州の税務当局が調査に入る可能性があります。納税者が給与所得がある時に受理する「W2」や、個人事業などで収入のある時に受理する「Form1099MISC」などの書類は、税務当局にも提出されています。調査は、税務当局が把握している納税者の情報と提出された申告書に相違がある場合に入りやすいです。
その他、整合性の取れない経費が計上されていると、裏付けの取れる資料の提出を求められ、精査される可能性が高くなります。また、個人事業主が自宅を経費として計上したり、ガソリンを実費で経費計上したりすると、調査されやすくなる傾向にあります。


納税額確定の時効

実は、税金には時効(Statute of Limitations)があり、その期間は「申告書を提出した日付」と「数字の精度」の2点で決められます。「申告書を提出した日付」を基準に考えると、4月15日の締切以前に申告書を提出すれば、その締切日の4月15日から数えます。延長手続きなどで申告書を4月16日以降に提出した場合、申告書を提出した日から数えます。「数字の精度」ですが、申告漏れが所得の25%未満の場合は3年間で時効成立、それ以上は6年間で時効成立となります。
例えば、所得の25%以上申告漏れがある申告書を2015年2月15日に提出した時の納税額確定の時効は、同年4月15日から6年後の21年4月15日です。この期間を過ぎると税務調査が入る可能性も少なくなります。


納税の時効

税金の支払い義務の時効は10年で、IRSはこの期間内に税金を回収します。納税額が確定した日付から数えられるので、申告書を提出した日であったり、IRSが調査に入り納税額が確定した日であったりとさまざまです。


還付の時効

納税の時効に対し、還付金を受け取る権利の時効は3年間で、4月15日の締切日から数えられます。還付を受け取る権利は、申告書を未提出でも時効が成立します。しかし、納税義務の時効は申告書を提出しなければ成立しないので、毎年の申告を心がけましょう。また、個人・法人にかかわらず、申告に関連する書類は時効成立までの最低3年間は保管しておきましょう。


利子と罰金

税務調査が入り、追徴課税されると金利と罰金も課されます。その金額は4月15日の締切日から加算されていきます。その利率は、3%の利子、毎月0.5%の未払いに対する罰金、そして未申告には毎月5%の罰金も加算されます。


回答

最後になりますが、「4年前の所得の申告漏れ」への対応は、次の3通りが考えられます。まず、申告書を提出していて①25%未満の申告漏れであれば時効が成立しています。②25%以上であれば、時効未成立につき修正申告の必要があります。そして、③申告書を提出していない場合は、その提出義務があります。もしも「4年前の税金の過払い」を発見したとしても、3年間の時効が過ぎているため、残念ながらお金は返ってきません。
 
(2015年5月1日号掲載)

確定申告の時効

確定申告は、法律に基づくものなので時効があります。確定申告の時効とはいつまでなのでしょうか?そして還付金を受け取る権利や税金を支払う義務はいつまで有効なのでしょうか?


連邦の時効

IRS(歳入庁)は法の下、確定申告が提出されてから3年は確定申告の調査ができます。税金の支払い義務の時効は、IRSの最終査定から10年です。確定申告締切日から3年以内であれば、遅れて申告をしても還付金を受け取れます。
調査とは、IRSが保持している情報やレシートなどの裏付け資料と確定申告書類とを照合することです。その結果、申告漏れが発見された場合などは追徴金が課されます。反対に、控除の申告漏れが発見された場合は追加で還付金が発生します。
調査対象の3年間とは、確定申告を締切日前に提出していたとしても、確定申告の締切日から起算します。ただし例外もあり、調査の結果、所得が25%以上増加した場合は、時効が6年に延長されます。また、脱税目的で虚偽の申告をした場合は、時効が撤廃されます。税金の支払い義務の時効は10年で、IRSはこの期間内に税金を回収します。起算日は納税額が確定した日なので、申告書を提出した日や、IRSが調査に入り納税額が確定した日などさまざまです。納税者とIRSの同意で10年より延長されることもあります。
また、還付金を受け取る権利の発生する期間は、調査と同じように確定申告締切日から3年となっています。

 

カリフォルニア州の時効

連邦と州では違った時効が適用される場合があります。カリフォルニア州では確定申告を提出してから4年後に調査の時効が成立します。しかし、確定申告が未提出の場合や不正、虚偽の申告をした場合、時効は成立しません。
税金の支払い義務の時効は20年で、起算日は連邦と同じです。また、IRSの税務監査を受けてカリフォルニア州に払う税金に変更が生じる場合は、6カ月以内にカリフォルニア州への報告義務が生じます。

 

確定申告の延長手続き

確定申告延長手続きを確定申告の締切日までに済ませると、半年間の締切延長が可能です。今年の締切は4月18日なので、それまでに延長手続きを済ませれば、10月17日まで締切を延長できます。この延長手続き書類を提出した場合、実際に確定申告書を提出した日付を時効までの起算日とします。ただし、税の支払い期限が延長されるわけではないので注意が必要です。

 

書類の保管期限

確定申告の関連書類(W-2やレシートなど)はいつまで保管しておけば良いか?という質問を多く受けます。書類はIRSや州の税務当局が調査に入った際に必要ですから、連邦向けの書類は3年間、州向けの書類は4年間、保管しておいた方が良いでしょう。
また、税の支払いが遅れた場合、金利とペナルティーを支払わなければなりません。連邦には、支払額の約6%の金利と5%のペナルティーが確定申告締切日より発生し、カリフォルニア州には支払額の約8%の金利と5%のペナルティーが確定申告締切日より発生します。この金利は還付金に対しても適用されます。
これらはあくまで確定申告を提出し、税額が確定してからの話です。確定申告を提出しないと、時効は発生せず、いつまでも税務当局から支払い命令の通知が届く恐れがあります。
 
(2016年4月1日号掲載)

石上洋◎米国公認会計士
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校を卒業後、大手監査法人、現地会計事務所パートナーを経て石上・石上越智会計事務所を設立。税務をメインに事業を展開。
アメリカでの会社設立・確定申告・タックスリターンは「石上、石上&越智公認会計士事務所」へ
米国公認会計士・石上洋さんのインタビュー

※本コラムは、税に関する一般的な知識を解説しています。個別のケースについては、専門家に相談することをおすすめします。ライトハウス編集部は、本コラムによるいかなる損害に対しても責任を負いません。

「ここが知りたい米国税務・会計」のコンテンツ