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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

143) WOWな磁力を!

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。
時間と集中力こそが希少価値ある資源です!


ひょんなことからiPad 

iPadを入手しました。JOYWOWは今後、電子書籍出版事業に進出するし、著者としてもコンテンツの対応策を練る必要がある、新しいメディアに精通するのはプロフェッショナルとして当然の義務…などなど、理由を1ダースほどくっ付けていますが、要するに「新しいモノ好き」なだけです。発端は、JOYWOWコンサルタントのZONOがiPad用外付けワイヤレス・キィボードを誕生日にプレゼントしてくれたことです。その段階で、私にとってiPadはまだ「様子見」の商品でした。しかし、キィボードを箱から出すと、懐かしいアップル製品のにおいが。今でこそ私はウィンドウズパソコンのユーザーですが、もともとはマック派です。良いにおいをさせながら出てきたキィボードの美しいフォルム!これでもう、ノックアウトでした。その日のうちに大型家電量販店に電話し、予約しようとしましたが、店に行かないとできない。しかも、順番待ちがものすごく、予約客をA、B、Cと順番にグループ分けしているが、今日予約しても私の順番は「K」。早くて2週間後、遅ければ1カ月待ちとのことです。

そういう「店側の事情」など知ったことか、と翌日開店時間早々に行きました。とっとと予約して会社に行こうとしたら、その場で買えてしまったのです。不思議なことに、なぜか店に在庫があったのでした。マーケティングは現場が重要だと常々言っていますが、まさかこんなことが。家族の分と2台、持って帰ることができました。


時間と集中力

iPadもパソコンと同じく、セットアップが必要です。ネット接続、メールアカウント設定、アプリケーションのダウンロード、自分用のカスタマイズ…などなど、慣れない中で、久しぶりのマックの感触を味わいながら、やっていきます。

しかし。やるべき仕事の量がiPadの登場前後で変わったわけではなく、要するに、ただでさえ時間のない中、余計な「iPadをいじる時間」が割り込んできたというわけです。しかも、ちょっと離れて客観的に自分を見た時、仕事の生産性が上がったのなら良いのですが、上がったとは言えません。ただ子供がおもちゃに出会って、夢中になって遊んでいる、というだけの話で(笑)。

私は、現代社会に生きる私たちにとって最も希少な資源は、時間と集中力だと考えています。私にとってiPadは「時間と仕事への集中力を奪うマシン」となったのです。それほど私にとって「WOW!」な磁力をたたえた商品なのです。


WOW!な磁力を

この自分の体験からわかったことは、「顧客の時間と集中力の奪い合い」こそが、これからのマーケティングの重要な課題だということです。例えば、テレビやラジオのビジネスモデルが金属疲労を起こしている理由は、企業の広告宣伝のあり方がネットの出現によって根本的に変容したからですが、一方、「生活者の時間と集中力をgetできていない」ことも大きな理由ではないでしょうか。たとえどんなに忙しくても、「この作品はきっと私に感動(WOW!)を与えてくれるに違いない」と生活者が確信できる映画には、時間をやりくりして出かけます。読みたい本も、読みます。行きたい店には友人と誘い合って行きます。買いたい商品は「アルファベットのKの順番待ち、へたすると一カ月先です」と言われようとも予約して待ちます。

皆さんが、ご自分のお店や商品にWOW!な磁力を持たせるにはどうしたらいいか考える時、「顧客の時間と集中力をgetするには何をするべきか」という問いに焦点を当てると答えが見つかると思います。

具体的なヒントをいくつか。]誕蠅砲覆襪曚豹形。他にはない魅力。K槓の作り込み。ぐ磴い簡単にわかる。ジ浚兇冒糞瓩垢襦今私は、この条件を3D映画『アバター』とiPadをイメージしながら挙げました。自社に置き換えた時何ができるか、是非考えてみてください。

それにしてもiPadは良くできています。タッチの感触が素晴らしい。iPhoneも愛用しているので、タッチスクリーンの感触は慣れているはずなのですが、画面が大きくなったことでよりそのすごさがわかります。音質も良いし、何より説明書がないことが素晴らしい。

良い商品に、説明は不要なのですね。

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(2010年7月1日掲載)