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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

147) ブランド・マネジメント

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。
定期健康診断が必要なのは、
人もビジネスも同じです。


ブランド・マネジメントとは

ブランド・マネジメントとは、 あなたのビジネスを成立させて いるブランドひとつひとつにマ ネジメントの息吹を吹き込むこ とです。この手法は、あなたが アクセサリーなどの対面物販で あろうと、エステサロンのよう にサービスを販売していよう と、ネット通販であろうと、あ らゆるビジネスに使えます。「商 品を売っています」だけでは商 品棚にただ並べているだけで す。ひとつひとつのブランドの 現状を診断し、提供価値を見直 し、「明日のために今日何がで きるか、何をするべきか」とい う具体的行動に落とし込むため の戦略です。人間と同じく、定 期健康診断を実施し、経営を健 全化しましょう。


商品診断

まず、現在の商品ラインアッ プを診断してみます。お店を舞 台に見立てましょう。毎晩連続 してショーをやっている人気劇 団です。商品群は舞台に立つス ターたち。スターですから、以 下のような面々がいることで しょう。

1 今日の主役(ヒーロー、ヒロ イン)
稼ぎ頭ブランド、今日の主力 商品です。商品診断の基準は、 「売上高」「利益高」「販売個数」 「顧客からの評判」「以上の各項 目すべての推移変化」で考えま すが、主役は誰が見ても明らか。 殆どのお店に今日の主役ブラン ドがあります。もしないとすれ ば、そこがあなたのお店の課題 です。

2 脇役
主役級の業績はあげていな いが、ないと困る。そんな商 品です。脇役を英語でいうと supporting cast〞、文字通り、 サポートしてくれる頼もしいブ ランド。時間が経てば主役にな れるかというと、そういうキャ ラではない。

3 期待の新人(ルーキー)
今はまだ主役ははれないが、 未来に期待できるブランド。経 営資源(時間、資金、人、ノウハ ウ)を全面的に投入してバック アップするべきです。

4 ベテラン(昨日の主役)
あなたのお店が今日あるの は、彼らのおかげ。かつての主 役たちです。しかし、急速に売 上高も利益も、顧客数も減って きています。

すでにお気付きのように、こ こに登場した4人のスターたち は、「今日」(今日の主役とわき 役)、「明日」(期待の新人)、「昨 日」(ベテラン)と、3つの時間 軸に関連しています。つまり、 あなたのお店の現在・未来・過 去を語っているのです。ここで 重要なブランドは期待の新人と ベテランの扱い。ルーキーを育 成するのは誰も異論がないので すが、特に危険なのはベテラン。 経営者にとって思い入れも強い ので、必要以上に経営資源を投 入しがちです。

商品診断は、「売上高」「利益 高」「販売個数」「顧客からの評 判」「以上の各項目すべての推 移変化」を、「まるで自分の店で はないかのような冷めた目で」 見ることが大事です。ひょっと すると、お店に入ったばかりの 新人さんにやってもらった方が いいかもしれません。お得意様 にお願いして作業に加わっても らう、というのもいいでしょう。 「変化が常態」の視点を忘れず、 「今日のヒーローは明日のベテ ラン」「今日のルーキーは明日 のヒロイン」。このブランド変 化こそが、お客様にとっての魅 力にもなるのです。


満足と効用診断

お客様は、満足と効用を手に 入れるために、商品を購入しま す。つまり、商品は満足と効用 を入手するための媒体に過ぎな いのです。お客様が買う目的は 商品そのものではないことに留 意しましょう。「何の満足と効 用を手に入れるために購入して くださっているのか」を常に考 えましょう。

例を挙げます。レーシック手 術によってお客様が手に入れる 満足と効用は、視力です。する と、これまで視力を提供してき た商品が脅威にさらされます。 一番の脅威はコンタクトレンズ でしょう。めがねも視力を提供 してきましたが、ファッション 性があります。つまり、おしゃ れのためにめがねをかける人も おられます。だから、必ずしも、 レーシックとめがねとは顧客の 受け取る満足と効用がぴったり 一致するわけではないのです。 「気軽な安いランチ」という満 足と効用を提供しているのであ れば、近所にファストフードの チェーン店が進出してきたら脅 威になります。

ブランドは「何の価値を提供 しているか」。定期的に診断し、 マネジメントしましょう。

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『共感企業〜ビジネス2.0のビジョン』(日本経済新聞出版社)
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(2010年9月1日掲載)