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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

164) サービスとは気持ちを読むこと

マーケティング講座

こんにちは!阪本啓一です。ハードよりソフト!


チャンスをつかむため

出張は、チャンスを獲得することが目的です。逃さずつかむためには体調が万全でなければならず、何といっても睡眠品質が鍵です。だから、ホテルはきちんとした所を選びます。もちろん予算がありますので、どこでも良いというわけではありませんが、pay the price、それなりのサービスを受けたければ、それに見合った価格を負担しようと考えています。また、災害時のリスクマネジメントを考慮に入れると、それなりの設備を備えたホテルを選ぶのは、責任ある経営者として義務とまで思います。

今日はセント・レジスホテル大阪(www.stregisosaka.co.jp)の体験から、サービスの本質についてお話しましょう。ホテルの話ですが、ビジネスはある意味、すべてがサービス業ですから、きっと参考になるはずです。


人の作りだすソフト

2010年10月にオープンしたばかりなので、ハード(建物、設備)がきれいで立派なのはもちろんですが、顧客の心をつかむのはハードではありません。ハードは10分で効果を失います。人間には不思議な心理が働くもので、「当たり前」になってしまうのです。やはり人。「人のしてくれること=ソフト」こそが、サービスの本質です。

寝る前、シューシャイン(靴磨き)サービスを頼むと、わざわざ部屋まで靴を取りに来てくれました。バトラーボックスに入れておいてもいいのですが、一般にはなじみがない設備なのでわからないといけないという(実際、その時まで私はわかりませんでした)ホテル側の配慮でしょう。この、「どっちかわからなければ、顧客にとって安全な方法を選ぶ」姿勢、最近はなかなか出会えないサービスへの取り組みです。

朝、バトラーボックスを開けると、写真の通り。新聞と靴が、丁寧に置いてあります。ューシャインで「さすが!」と思った点は、ただ靴を磨いただけではなく、かかとのこすり傷をきれいに修理してくれていたことです。自分の仕事の定義を「靴磨き」とせず、「顧客の靴のメンテナンス・サービス」としている証左です。


気持ちに寄り添う

チェックアウトの際、次の予約をしました。こんなに快適なら、大阪での仕事は夕方遅めからなので、早目に部屋へ入って原稿を書きたいと思い、チェックインタイムは何時か聞きました。

フロントの女性「3時でございます。何かご要望がおありでしょうか」。私は、チェックイン
タイムを早めて欲しい、という無理を言うつもりはなく、ルールに従うつもりなので、「いえ、それに合わせてスケジュールを組もうと思いまして」と言いました。すると「では、お早目にご到着されるかもしれないことを、申し伝えておきましょう」と、パソコン画面に入力するではありませんか!なぜこの人は、私の考えていることがわかるんだ!

質問に答える。それがサービスではないのです。目の前にいる顧客がなぜ、この質問をしているのだろうとその理由を推しはかる。質問にはすべて理由があります。わからなくても、顧客にとって良い(便利な・快適な)理由を選択する。気持ちを読み、気持ちに寄り添う。顧客の心をつかむサービスには、きらびやかでゴージャスな設備は不要です。