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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

22)笑いと笑顔のパワー
【笑う門には】

マーケティング講座

みなさん、こんにちは! 阪本啓一です。
今日、何回笑いました?


お笑いクラブ

 インド、ムンバイの内科医マダン・カタリア氏は風変わりな運動の提唱者です。その名も「お笑いクラブ(laughter club)」。カタリア氏は医師としての時間を減らし、自らを「笑いの伝道師」として世界に笑いを広げ、健康をもたらし、究極的には世界平和を実現しようというミッションに取り組んでいます。

 具体的な活動としては、「お笑いクラブ」を世界各地に組織し、その地域を笑いで満たすこと。詳しくは氏のウェブサイトhttp://www.laughteryoga.org/ をご覧ください。

 もちろんアメリカにもクラブは存在し、カリフォルニアだけでもサンタモニカを始め8カ所にあります。地球上にあるクラブは英国、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、カナダ、イラン、イタリア、ポルトガルなど日々増えているようですが、本稿執筆時では約2500あり、最も多いのがやはりインドで、ムンバイには100、ハイテク産業の雄・バンガロールにはそれ以上の数のクラブがあるとか。

 面白いことに、たいていのクラブが企業の職場を会場としていることです。また、カタリア氏の「ラフターヨガ」では企業研修プログラムとして笑いを実施していることも興味深いですね。

 この事実から、ビジネスに求められるものが大きく変わった、というとても重要なトレンドが読み取れます。


笑いのパワー

 かつてヘンリー・フォードはこう言いました(*)。「仕事の時は仕事。遊ぶ時は遊ぶ。2つをごっちゃにしてはいけない」。

 現に、1930年代や40年代のフォード自動車工場で働く工員が仕事中に笑ったりなんかしたら、職長への不服従や反抗的な態度と受け取られていました。眉をしかめ、真剣そのものの顔で製造ラインをにらんでいなければならなかったのです。しかし、時代は変わりました。

 ワシントンDC在住のベストセラー作家ダニエル・ピンク(www.danpink.com)によれば、現代社会で最も活躍し、利益を生み出すのは「デザイン力、物語る力、響きあう力、他人の身になれる力、遊び心をもてる力、意義を考え出せる力」の6つの資質を持った人だといいます。その中の「遊び心」を生み出すのも、笑いの力なのです。

(*)参考『A Whole New World』Daniel Pink, Riverhead Books


遊び心が業績を伸ばす

 クライアントの実話。よくある話ですが、経費節減のため「昼休みには電気を消しましょう」というルールができました。しばらくして、社長が「そんなみみっちいことをするのは止めよう。それより社員の士気が下がるほうが問題だ」と考えを改め、昼休みの消灯を止めるよう指示しました。

 すると社員から意外な返答が。「社長、たかが電気1つで暗くなるような職場なら、所詮その程度だったんですよ。関係ないですから。ぼくたち、笑いで、明るくしてますから」。社長はぐぅの音も出なかった由です。現にその会社は、不景気と呼ばれるソフト販売業界にあって一人勝ちの状況です。その秘密は、組織全体にあふれる笑い。

 本社社屋前の電柱にまともに雷が落ちた日のこと。私は午後、コンサルティングで訪問したのですが、本社内は停電、仕方なく、窓から入る明かりを頼りにミーティングをしていました。

 ところが、社内が妙に明るいのです。たちまち「落雷対策本部」が創設され、長い半紙にちょうど警察映画に良く出てくるような「○○対策本部」よろしく、部屋の入口に貼り出されました。停電で、パソコンも使えない中、社員はみんなむしろ「災難」に遭った顔などしていず、普段以上に笑いが満ちていました。ペンが落ちたと言っては笑い、顔が見えないと言っては笑い。

 このとき私は、この会社の快進撃の秘密をはっきりと知りました。そうです。笑いと笑顔、そして遊び心のパワーなのです。

 皆さんの会社やお店には笑いが満ちていますか? まず、この文章を読んでいるあなた、ライトハウスを見ながらで結構ですから、笑い顔を作ってみてください。

 1日何回も、笑顔を。笑顔は美人とハンサムを作ります。笑う門には福来る。
 笑いましょう。

(2005年10月16日掲載)