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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

23)すべては企画から始まる
【企画力増強3つの方法】

マーケティング講座

みなさん、こんにちは! 阪本啓一です。
企画はすべての出発点ですよね。

 あらゆるビジネスは企画がその根っこを作っています。集客、販売促進、商品開発、店舗作り…すべての出発点には企画力があります。
 では、企画力をつけるにはどうすればいいでしょう。


ヾ兒,垢

 テレビを見ている時でも、車を運転しながらカーラジオを聞きながらでも、ショッピングモールで買い物をしている時でも、家庭のゴミ出しに出かける時でも(笑)、とにかく観察する習慣をつけましょう。自分の仕事に関係ないからスイッチオフ、ということではいけません。朝起きて、寝るまで常にアンテナはOKにしておきましょう。

 よく「顧客の立場に立つ」と言いますが、さらに突っ込んで「自分が顧客になってみる」のはどうでしょう。例えば子どもの背丈になってみる。実際に身体を動かすのです。


⊃搬里鯑阿す

 クライアントが新規の大型書店を出店準備中なので、現場へ足を運びました。特注の商品棚が搬入されたところです。さすが大型店にふさわしく、3メートル近くも高さのある棚があります。商品ディスプレイ用の棚が1.8メートルありました。そこで私は実際に棚の1番上にその時手にしていたデジカメを置き、少し屈んでから手が届くかどうか試してみました。うまくいかない私の様子を見た社長は売り場の担当者に、1番上の展示商品と同じものを下の手の届きやすい棚にも置く、という指示をしました。子供や背の低い人にとってどんな風に見えるのかを自分の目線で見てみたからこその解決です。

 あるレストランのコンサルティングの時は実際に車椅子に乗って、バリアフリーの実態を確認したこともあります。車椅子に乗ると、ちょっとした床の段差が肘に大きく響くことを文字通り身体で知りました。

 また、「左利きの人になって製品を使ってみる」ということもいいかもしれません。意識的に左手だけを使うようにするのです。ドアの鍵を開ける、銀行のATM機を使ってみる、パソコンプリンターのインクカートリッジを取り替えてみる、など、実際に左手を中心にやってみると、いかにこの世の中の製品が右利きの人向けに製造されているかがわかります。会議室で企画はできません。現場に出て、身体を動かしましょう。


世界を拡げる

 伸びる人と伸びない人の違いは守備範囲の捉え方です。「自分の担当している製品・サービスについて詳しければ、それでいいだろう」と、自ら範囲を限定してしまっている人が多いのではないでしょうか。

 拙宅に出入りしているクリーニング会社の営業マンは、家庭のクローゼットで使うハンガーの種類と材質についてはまるで「歩くカタログ」です。クリーニングだけに詳しくなるのではなく、クリーニングした後、必ずハンガーはついて回るものです。大切な衣類を、クリーニングから返ってきた時についている針金ではなく、きちんとしたハンガーに吊るし直して保存したい、という顧客は必ずいます。実は我が家がそうです。かといってわざわざハンガーのためだけにショッピングには出かけたりしません。「我が家のドアを開け、玄関に入り込むパーミッションを持っている」クリーニングの営業マンから買うことができたらそれに越したことはないのです。ある日、ダメモトで聞いてみるとその詳しいこと、詳しいこと。驚くと共に、価格を聞く前に購入を決めてしまいました。

 世界を拡げる。そのためには、仕事の範囲を限定しないことの他、書店に行くことをお奨めします。そして、普段なら絶対読まない本の置いてある棚に行きます。強制的に、1冊買って、「1週間のうちに」全部読みきることを自分に課します。読んだら本の概要と感想をノートに書きとめる。ここまで強制しないと、人間は弱いもので、まず、実行できないでしょう。私は料理本『豆腐ざんまい』『野菜のおかずは無限大』『生姜と葱の本』を読んでブランドについての重要なヒントをもらいました。そういえば、料理は企画の宝庫です(例えば「白菜」1つでも「白菜と鮭のクリーム煮」「白菜のオイスターソースがけ」など20種類の料理が可能)。

 企画は日常の蓄積がモノを言います。常にノートを持ち歩き、マメにメモする習慣をつけましょう。だから今日より明日、明日より1年後、さらに将来のほうが企画力がついているはずです。楽しみですね!

(2005年11月1日掲載)