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ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

30)ネタ目を鍛えて商売繁盛!
【ネタ目を鍛える】

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
ネタ目を鍛えると毎日が楽しいですよ!


ネタ目とは

 ネタ目というのは、世の中のことを「ネタにならないか」「ネタが転がっていないか」という目で見る、ものの見方・考え方のことを指します。もともと「ネタ」という言葉は、お笑い芸人さんが使うことが多いのですが、私はビジネスでネタ目を使っています。何か問題解決の糸口を探して歩いている時など、自分の出会うすべてがその問題に関係しているように見えてくるものです。知人の看護士は、渋谷の雑踏を見ていると全員が病人に見えるそうですが(笑)。そのような「世界との向き合い方」が「ネタ目」と言えます。

 ネタ目を鍛えると、ビジネスチャンスの芽を発見できます。考えてみれば、資本もなく、強力なコネクションもない私が独立してから一本どっこで今日までやってこれたのは、ひとえに「ネタ目」のおかげです。この連載も毎回、ネタ目で世の中を見て、それにマーケティングの味付けをし、皆様にご披露しているのです。

 非常に単純に言ってしまえば、ビジネスはネタ目で世の中の潮流を見すえ、自社の製品・サービスを開発・改良していく営みです。ネタ目をいくら使おうと無料です。何しろ自分の頭脳なのですから。そして、脳は使えば使うほど、鍛えられ、バージョン・アップしてくれることは脳科学上も証明されています。今日はネタ目の鍛え方についてお話しましょう。紙幅の関係があるので、4つに絞って。


ネタ目の鍛え方

 !?」を大事にする
 出張から帰りのJR駅、時刻は夜8時頃なのでまだ宵の口です。タクシー乗り場の前に新しくクリーニング店がオープンしていました。「Yシャツ・ドライ 10:00お預かり→6:00お渡し」という看板が店先に大きく掲げられていて、「これはすごい!」と感心しました。いえ、感動、と言ってもよいくらいです。帰宅時に預かり、夜のうちに洗濯し、翌朝出勤時には渡せる。これは画期的だ! とすぐにデジカメでその看板を写真に残しました。そして帰宅して画像をゆっくり見てみると、「10:00AMお預かり→6:00PMお渡し」!?

 そりゃそうですよね。いくら帰宅時とはいえ、その場でシャツを脱いで店に預ける人はいないし、しかも下着で駅まで行って、出来立てホカホカのシャツを着て出勤する人はもっといない。いずれにせよ、この「!?」で、私は「駅前で『時間を売り』にする商売が可能だな」という「気づき」を得ることができたのです。

∧事を両面から見るクセをつける
 「コストは『かかる』のではなく、『かける』ものだ」。敬愛する経営者の言葉です。コストを「かける」発想だと、投資とリターンでポジティブにビジネスを考えることができますが、「コストがかかる」発想をしているとあくまでもコストは費用であり、後ろ向きになり勝ちです。物事はすべて両面から見ることができます。商品は売るものですが、顧客の立場からすれば「買う」ものです。

 「買う」視点で自分の商品を見直してみるだけで、違う世界が広がり始めるはずです。

 もう一つ。ペットボトル入りのドリンクは中に入っている「飲み物」を買うとも言えますが、別の見方をすればペットボトルという「ゴミ」を買っているとも言えます。すると、ゴミを少なくするためには中身の飲み物だけを販売する方法はないものか、というビジネスチャンスに出会います。

「異質なものを結び付ける」クセをつける
 一体、焼酎の梅割り、つまり、「焼酎に梅干を入れる」という着想はどこから出てきたのでしょうか。異質なものの組み合わせからイノベーションは生まれます。

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 自社のビジネスをタイムレコーダーの製造・販売ではなく、正確な時間を売ると定義したことで、アマノは「入退室管理システム」「パーキング・駐車場システム(料金精算・入出場管理システムなど)」「デジタルタイムスタンプ(電子データに信頼のおける確定時刻を付与し、改ざん検知を可能とする)」「時刻配信・認証サービス(顧客のサーバーにタイミングセンターから協定世界時の安定配信を行う)」といったビジネスドメインの拡張を果たすことができました。自社ビジネスの本質を言葉にすることで、新しいビジネスチャンスをつかむことに成功したのです。

 皆さん、ものの見方・考え方を多面的に増やして、ネタ目で商売繁盛しましょう!

(2006年2月16日号掲載)