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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

52) 買えないものって、何!?
【お金で買えないものを売る】

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
視点を変えれば鉱脈ザクザクです!


新しいビジネスチャンス

 前号にひきつづき、ラグジュアリー・マーケティングを考えていく中でビジネスチャンスを発見しました。前号「最高品質のマーケティング」は、マーケティングを実行する際の心構えについて触れましたが、今日は、ビジネスチャンスがテーマです。リッチ層の行動を研究していく中で、彼らの購買意欲をそそる商品に、ある共通項を発見したのでした。それは、マーケティングの本質とも言うべきもので、かつ、新たなビジネスの鉱脈として、熱く輝いているのです。それは…


4つのビジネスチャンス

 ずばり、「お金で買えないものを売る」。リッチ層は、お金は出せますが、お金で買えるものでは満足してくれません。お金で買えないもので、リッチ層が欲しくなるものとは、何でしょうか。例えば、次の4つがビジネスチャンスとして浮上してきます。
出自(国籍、居住権など)
子弟の教育
健康(こころとからだ)
セキュリティー(財産、生活)

出自
 リッチ層の中には、ヨーロッパの貴族や名家のようなサラブレッドではないことに劣等感を持っている方が少なくありません。ここをくすぐれば、ビジネスの可能性が生まれます。

 例えば、富裕層専門のマーケティング会社イー・マーケティングの運営するサイトセブン・ヒルズ(www.7hills.ne.jp/)は、米国永住権を扱っています。二重国籍を認めているアメリカやカナダなど海外で出産、子どもの国籍に日本籍プラス外国籍も、ということで人気です。

教育
 日本の公立学校は、残念なことに、安心して子どもを通わせることのできない教育機関になってしまいました。荒れた学校現場、ゆとり教育による学力低下、いじめ問題、さらに教育者マインドの貧しさ(校長先生自身が自殺してしまうなど)を見ると、自分の大切な子どもを公立学校に行かせることにためらいが生じるのは親として自然な気持ちです。

 また、経済のグローバル化に伴い、人材もグローバル化のもとで評価される時代です。世界規模で見た場合、「東大」は日本のような強いブランド力を持っていません。よって、できる子どもは、はじめからハーバード大やスタンフォード大を受験します。日本のプロ野球が、米メジャーリーグの予備校風になってしまったように、日本の大学はアイビーリーグなどの「予備校」的存在に成り下がってしまっています。

 よって、日本の特にリッチ層は「早いほど良い」考えで、自分の子どもを、幼時から海外の一流学校に行かせようとします。そのため、米国サイドからの情報提供や斡旋、生活サポートは、大きなビジネスになるはずです。

健康
 身体の健康では、アンチエイジングが大きなビジネスチャンスの可能性を秘めています。オーガニックフード、スローフードといった身体によい食べ物も、年々ニーズが高まっています。

 また、こころも重要で、「こころの健康ケアビジネス」は、ボディー以上に可能性を秘めています。「自分の内側の幸せ」についてのコンサルテーションです。例として、スピリチュアル・コンサルテーションなどが挙げられます。

セキュリティー
 残念ながら、米国、日本とも、治安が100%安全とは言い切れない社会になってしまいました。「自分の身は自分で守る」。そこで、生活と財産の安全に対するニーズは、今後ますます大きくなることでしょう。


お金で買えないものを考えると、鍛えられる

 ほかにも「お金で買えないもの」は、いくつも浮かぶはず。まずは社内で思考実験してみてください。目の前のお客さんに、「お金ならある。お金で買えないものが欲しい」と言われたとき、さあ、あなたならどうしますか?

 マーケティング・アイと企画力が鍛えられます。是非考えてみてください。

(2007年1月16日号掲載)