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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

85)できることから始めよう!

マーケティング講座

こんにちは! 阪本啓一です。
大きな目標より、口に入るサイズの実行を!


環境意識は高まっているはずなのに…

 「私たちの住む地球は壊れやすく、資源も有限。だから環境を常に意識した生活、企業活動をしよう」そんな環境意識は地球規模で高まり、広がりを見せています。ところが、日常生活で、「本当にあなた環境を意識しているの?」と言いたくなる行動にたくさん出会います。

 例えば企業。「地球にやさしい」と謳いながら、その実、24時間フル稼働している自動販売機。日本ならではの風景ですが、そこまでして売らなければやっていけないんですか? と思ってしまいます。

 また、ペットボトルを捨てる時に、日本の多くの地方自治体ルールでは、ペットボトルと、ブランド名を印刷したラベル(リサイクルプラ、プラスチック製容器包装)とを分別して捨てなければなりません。簡単にはがせるようにキリコミ点線を入れてくれているタイプもあれば、くびれたボトルデザインのため、はがしにくく、わざわざハサミを取り出さなければどうにもならないやっかいなタイプもある始末。キレイゴトならいくらでもウェブサイトやテレビCMで言えるけど、現実はどうなんだ、と思う人もいるはずです。

 また、コンビニエンスストアが「CO2オフセット運動に取り組み、ポイント交換でCO2削減に顧客も参加できます」と報道されているのを見て、「でも、そもそもあなたのビジネスモデル、つまり、24時間365日営業はCO2にとってどうなの?」とつぶやく、私のような生活者もいることでしょう。

 一方、生活者も同様です。電車の床に置かれたコーヒー缶、駐車場に投げ捨てられている雑誌。大型連休や夏休みで観光客が多く押し寄せた後の海岸に残るタバコの吸殻、ビニール袋、チョコレートの外箱、ガムの銀紙、缶、ペットボトル…。


海岸をきれいに

 ちょうどこの原稿を執筆しているのは、日本の大型連休の真っ最中です。ちょっと息抜きに、散歩に出ました。スーパー駐車場の前まで来ると、車がbumper to bumper。14台数珠つなぎでパーキングに入るのを待っています。道は狭く、ようやく車が1台すれ違えるかどうか。広い国道にまで車はつながっていて、渋滞です。

 休日はいつものことで、名物と言ってもいいのですが、これらの車に乗っている人たち、いずれもご近所さんばかり(日用品スーパーですから)。彼らに聞いてみたら、きっとこう答えるでしょう。「はい。環境を意識した生活をしていますよ」。じゃ、歩くかというと、車で買い物。

 やれやれ、企業も、生活者も、似たような低レベルなんだな、と首をふりながら、渋滞道路脇のスターバックスに立ち寄りました。コーヒー受け渡しコーナーで待っていると、手書きの案内ボードがあったのです。「葉山クリーンアップ わたしたちと一緒に森戸海岸をキレイにしませんか?」。

 日時はゴールデンウィーク明けの5月7日、午前11時から12時まで1時間。感動した私は、早速、ケータイを取り出して、写真を撮ろうと思いました。撮影のパーミションをもらうため、目の前にいる店舗スタッフに尋ねました。「写真、撮ってもいいですか?」「どうぞ!(笑顔) 是非参加してください!」「わかりました。ともだちにも(写真を)転送しますね」「わあ、ありがとうございます!」。

 スターバックスの「商売させていただいている地域への貢献活動」は非常に好感が持てます。


できることはたくさん

 スターバックスは「コーヒー豆生産地の環境・社会・経済すべてにおいて社会的責任を果たしたい」との思いから、CAFE(Coffee And Farmer Equity)プラクティスという、オリジナルのガイドラインを設け実践しています。

 例えば、市場価格より高い価格でコーヒー豆を購入するプレミアム価格政策(2004年度、同社は1ポンド当たり平均1ドル20セントで購買、これは同年のニューヨーク市場での取引価格の74%増し)などですが、そのような「遠い」話より、目の前の、地域への貢献のほうが、私には響きました。ここにヒントがあります。

 私たちのビジネス活動の中でも、環境に貢献する活動はたくさんあるはずです。例えどんな小さなことでも。例えば私の会社では「なるべく物流を減らす」ようにしています。だから、本の販売促進の景品でも、PDFや音源デジタルファイルのダウンロードという方法を取り、トラックによる輸送が発生しない配慮をします。また、オフィスで使う石けんは無添加を使い、生活排水を汚さないようにしています。オフィスの周囲はいつも掃除し、きれいな環境を整えるようこころがけています。

 みなさんの会社でも、「身近なこと」から、始めてみませんか? それが結局は持続可能な環境貢献だと思います。