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現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

102)企画会議の方法

マーケティング講座

こんにちは! 阪本啓一です。
企画会議の方法を伝授します。


 ある化粧品の新ブランド開発をしました。守秘義務があるので、詳細は書けませんが、企画会議の方法の典型的なパターンを使いましたので、ご紹介します。皆さんが企画会議される折の参考になれば幸いです。

企画会議の方法1:場所にこだわる

屋外テラスに席を取り、会議しました。陽光とそよぐ風、光る波が、発想をアシストしてくれました。コンクリートの壁や天井に囲まれた会議環境では、発想も縮まります。
 企画会議は屋外、風や緑に囲まれた場所でやってみましょう。雨が降りだしたらそれも良し。自然は「背景」ではなく、会議出席者の「一員」として大いに参加してもらうのです。


方法2:事前準備をしない

 会議の2週間前、クライアントから、「事前に何か調査しておくことがあれば教えてください。たとえば化粧品業界の現状や、ターゲットとして考えている生活者の嗜好性分析など、ご指示いただければ、準備して会議に臨みますので」というメールをいただきました。
 私の返信。「何の準備も不要です。化粧品業界といってもフィールドはとてつもなく広いですから、当然、その中の一部について調べることが関の山でしょう。人間というものは、自分が手に入れた知識を愛する習性があります。これは素晴らしいことではありますが、一方、『こだわってしまう』『その知識にとらわれてしまう』マイナス面も見逃せません…」。
 今回の新ブランド創造プロジェクトは、コンセプト・メイキングから、つまり、生まれる前からの企画だったので、なおさら、「白紙」の状態で会議をしたかったのです。「既に世の中にあるもの」の修正、改良をしたいわけではなく、全く新しい価値を世に問うブランドですから、余計に「偏光レンズ」になりかねない知識は仕入れないように努めました。


方法3:顧客に聞かない

 「顧客に聞く」こともしません。なぜなら、当たり前のことですが、顧客は「今世の中に存在している化粧品」しか、知らないからです。人間は自分の知っていることしか認識できないことは、最新の認知科学や脳科学でも証明されています。外界として私たちが観察しているかなりの部分が、本当に外界に存在する事物ではなく、脳の中に既に存在する事物なのです。
 これは通いなれた通勤路を車で走っている時のことをイメージしていただければ良いと思います。あなたはハンドルを握っていますが、フロントガラスを見ているようで、実は自動運転しているのと同じ、「外界」は見ていません。家庭でもそうですね。毎日顔を合わせる配偶者の変化(奥さんの髪型とか)に気づきにくいのは、「自分の外部にある事物そのものではなく、脳の中に存在するイメージ(通勤路のイメージ、奥さんのイメージ)」を見ているからです。


方法4:アイデアを「外化」する

イット(もう一回り大きくても可)を数個、用意します。1枚に1つ限定で、メンバーがアイデアを書き込んでいきます。それを画用紙に張り付けます。可能なら模造紙でも良いのですが、屋外で会議する際に便利なのは画用紙です。アイデアごとに分類し、マルで囲ってグルーピングします。できたグループ相互の関係を考え、矢印を引いたり、×、○などの記号を付記していきます。メンバーの思考を外に出す外化作業です。