エミリー・ブラント / Emily Blunt

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(2021年4月16日号掲載)

演技で吃音を克服したイギリス人女優

エミリー・ブラントと成田陽子さん

エミリー・ブラントは12歳の頃、役になりきってセリフを言うことで、重い吃音症を克服している。
 
「『The King’s Speech』(2010)で英国王役のコリン・ファースが全く言葉にならない”続けざまの音”を口から出していた時くらいひどい吃音だったのよ。今でもストレスがひどいと始まってしまう。皆さんに訴えたいのは、吃音症は神経症の一つで遺伝によるものが多いこと。そして、症状を持っている人々はみんな優しい人たちばかりだということ」。
 
そんなエミリーに2020年の12月、「Zoom」で、『Wild Mountain Thyme』(2020)のインタビューを行った。エミリーはニューヨークで、家族と共にスケジュールのない日々を楽しんでいた。

エミリー・ブラント

アイルランドの田舎町が舞台のロマンチックなラブストーリー、『Wild MountainThyme』。

「アイルランドの田舎が舞台のロマンティック・コメディーだから、まずはアイリッシュ訛りの特訓を受けてロケ地に行ったの。現地では、田舎に行けば行くほど人々が土地に愛着というのか、執着を持っていて、誰もが詩的なことに気付いたわ。でも、私は田舎が苦手。ロンドンに生まれたこともあって、外に出れば国際文化が広がる、コスモポリタンの真っただ中にいるのが一番居心地が良いの。
 
私が演じる女性は強烈に恋を仕掛けるアグレッシブなタイプで、私とは大違い。男性にモーションをかけるなんてできないもの。相手役があの『Fifty Shades of Grey』(2015)で猟奇的セックスが趣味の大富豪を演じたジェイミー・ドーナンなのだけれど、この映画では正反対のうぶな男性を演じて新鮮だったし、実際の彼は故郷アイルランドの血に誇りを抱く、気骨のある頼もしい人だった」。
 
2010年に結婚した夫君、ジョン・クラシンスキーとの間に二人の娘がいるエミリー。
 
「ジョンとは何から何まで好みが同じで、映画を見れば同じ場面で興奮したり泣いたり、コロナ渦中でべったり一緒にいても全然けんかしないのよ。 YouTubeショーを家族で出演して作るなど、いつも何かクリエイティブなことをしている。苦手だった料理にも精を出して、完璧なチョコクッキーが作れるようになったし。知ってる? チョコクッキーだけでも15種類ぐらいあるっていう事実を!」
 
さて待望の『A Quiet Place Part Ⅱ』は5月公開。さらにホラー度がアップされているそう。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2021年4月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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