ハリソン・フォード / Harrison Ford

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(2020年5月16日号掲載)

年老いても永遠のヒーロー

ハリソン・フォードと成田陽子さん

危機の時に頼りになるスターということで、最新作『The Call of the Wild』主演のハリソン・フォードに登場してもらおう。
 
同作品ではバックという大型犬と仲良くなるアル中の爺さんを好演。青い縞のシャツに紺の上着にジーンズという彼らしいスタイルで会見に現れた。今年の7月に78歳になるのだが、顔の皺はともかく、たぎる覇気が力強くて永遠のヒーローと言えよう。
 
「この映画は自然と人間との共存を呼びかけている。自然には運命があり、人間も然り。犬のバックは野生に戻り、僕が演じている爺さんは自分の生活を整理し、一人で生きる覚悟を立てる。非常にパワフルなストーリーで、この作品に出られて感謝している。家族と共に楽しんで欲しいね。

ハリソン・フォード

同名の冒険小説を映画化した『The Call of the Wild』。主人公ソーントンと名犬バックの友情を描いた大自然アドベンチャー映画だ。

実は家族で12日間のグランドキャニオンへの旅から戻ってきたばかり。ワイフと息子、友人らと行ったのだが、コロラド川からキャニオンに入ると、周囲は水と土と空の自然、あとは携帯など一切ナシ、我々の頭脳のみという環境だった。そこでは今までの悩みやら問題がひどく小さく、取るに足らないものに見えてくる。精神浄化と肉体の鍛錬に非常に効果があったね。
 
僕はもう30年間、自然保護問題に取り組んできている。いろいろな国に出かけては問題提起してきたが、今回の映画ではその目的が少し達成できた気がする。
 
僕の人生にはいつも犬がいる。現在は3匹いて、それぞれ違う性格を持っている。それだけでも生活に色彩を与えてくれるし、犬がいない暮らしは考えられないね。この映画の時代(ゴールドラッシュ時代)の犬は人間の生活に奉仕する役目を担っているし、ユーコンという自然の厳しい土地なのもあり、虐待に近い扱いを受けている。
 
しかし現代の犬は我々に愛情と安定感、居心地の良さを与えてくれるから、よほど旅行ばかりの生活でもないかぎり、ぜひ犬との生活をおすすめするよ。
 
『Indiana Jones』の企画はスムーズに進行している。まだ脚本修正やスケジュール調整の段階だが非常に面白い。再びの参加に僕もすごく張り切っている。大好きな作品だけに今まで以上にエキサイティングなストーリーをリクエストしたから、乞うご期待だよ」。
 
シニアパワーで頑張れ! のハリソンであった。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2020年5月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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