ヒュー・ジャックマン / Hugh Jackman

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サービス旺盛でパフォーマンスも一流!

成田洋子さんとヒュー・ジャックマン

豪州出身の俳優たちは皆、気旺盛なのだが、中でもヒュー・ジャックマンはピカイチ。初めて会った時は、「先月までミュージカル『Oklahoma!』に出ていたんだ」と言って、椅子の上に片脚を乗せて「Oh what a beautiful morning!」と朗々とした声で歌い出したくらいである。またある時は、アテネのレストランで偶然再会すると、休暇中なのにわざわざ私たちのいるテーブルに腰掛けて旅行談義を始めてきたり。疲れを絶対に見せず、常にショーマンシップでみなぎっている印象だ。
 
最新作(今年のクリスマスに公開予定)で彼が演じるのはサーカスの団長で、題名も彼にぴったりの『The Greatest Showman』。長身のスリムな体を赤いロングコートにトップハット、ブーツという装いに包み、歌って踊るパフォーマンスは華麗の一言。手足の隅々までポイントをしっかり押さえていて、『La La Land』の素人踊りとは基礎が違うといってしまおう。

ヒュー・ジャックマン

今年、『Logan』のインタビューで会った時のヒュー。相変わらずユーモアとサービス精神を絶やさないナイスガイでした。

「昔のサーカスはまさに夢の世界。ジャングルの動物に空中ブランコ、道化師に小人たちが異国の世界に僕たちを引きずり込んでくれました。この映画もそんな昔のサーカスを描いたもので、これまでのミュージカルの中でも一番演じ甲斐があったのですが、もうすぐ歳の体は、さすがにバネが効かなくなってきていて。ウォームアップをしっかりして、伸び伸びと踊っているつもりですが、そこかしこに苦しい動きが出てしまって…」と、謙遜するが、いやいや、躍動感あふれるプロならではのエレガンスを見せてくれています。
 
このところ、会うたびに顔にばんそうこうを貼って現れる。皮膚がんの手術の跡を隠すためだ。
 
「子どもの頃、オーストラリアの海岸でサンブロックなんて知らずに遊び回っていた。これまで2回皮膚ガンの手術をしたが、また出てくるでしょう。僕の顔を見て、多くの子どもたちに日焼けの恐ろしさを知ってほしい」と、日焼防止キャンペーンに励んでいるのも微笑ましい。
 
「先日の結婚記念日には、シドニーの公園にテーブルと椅子を持ち込み、妻とディナーを食べたんです。ちょうど初めてプロポーズした時と同じように!」と、妻想いのロマンチストでもあるヒューは、本当に素敵な男なのである

 

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

 

(2017年5月16日号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2017年5月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

 

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