マシュー・マコノヘイ / Matthew McConaughey

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役のための体重増減はお手の物!の怪優

成田陽子とマシュー・マコノヘイ

© HFPA

新作『The Dark Tower』では、しんで演じている様子がうかがえるマシュー・マコノヘイ。昨年の『Gold』では、ハゲのビール腹になって金鉱に取り憑かれた男を力演したり、『Dallas Buyers Club』(13年)ではエイズ患者役のために大減量したり、『The Paperboy』(12年)では異常嗜好の記者を怪演したりと、グッドルッキングの二枚目役にはもううんざりで、怪優としてのキャリアを快速進行中といった感じである。
 
今年7月のインタビューでは、「モーリシャス諸島での休暇から帰って来たばかり。山や海にはマジカルパワーがあるから、いつもそういう場所でじっくり充電しているんだ。この役ではニヒルな雰囲気を出そうと思って、『Gold』で増やした体重を10日間絶食するなどのダイエットで落とし、細身の体をつくった。撮影中には高所恐怖症が突然再発して、それを克服するのに苦労したくらいで、アクションはスムーズにこなすことができた」と、『The Dark Tower』での役について語ってくれた。

マシュー・マコノヘイ

『The Dark Tower』は、スティーブン・キング原作の長編小説を基にしたアクションファンタジー。

さらに、「僕の父はプロのフットボール選手だったから、肉体を酷使しての仕事には特別な敬意を抱いている。おまけに両親は僕が生まれる前に離婚し、その後、同じ相手と再婚、離婚、再々婚と繰り返したのだから、僕の家族の男女の情熱がたぎる血統がよく分かるだろう。今、僕は3人の子どもの父親になり、親としての責任と妻に対する愛情と敬意が生活に張りを持たらしてくれているね。ブラジル人の妻はポルトガル語で子どもたちと話しているから、僕も早くポルトガル語が上達しなければと焦っている。いずれにしても、帰る家があると言うのがこれほど良いものだとは思ってもみなかった」と、家族への深い愛を告白した。その昔は名うてのプレイボーイ。自宅で開いたパーティーでマリファナを吸い、全裸でボンゴを叩いていたことが報道されるなど、お騒がせなイメージもあったマシューも落ち着いたものだ。
 
2年前、母校のテキサス大での卒業式で、卒業生に向かって「常にアンダードッグ(負け犬)として戦え!」とスピーチ。人生に楽勝はないからそのつもりで挑め、という意を込めたらしい。怪優路線後のマシューはどうなるのか。ロマンスグレーの二枚目など良いと思うのだが…。

 

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

 

(2017年9月16日号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2017年9月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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