ナタリー・ポートマン / Natalie Portman

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(2018年12月16日号掲載)

俳優業引退も、映画への情熱は衰えず

ナタリー・ポートマンと成田陽子さん

たった13歳の時に『The Professional(邦題:『レオン』)』(1994)の美少女キラー役で強烈なデビューをしたナタリー・ポートマン。新作の『Vox Lux』では、アイドル歌手の役を自分の声で歌い、37歳、2児の毋になっても全く変わらない美しいルックスで熱演している。
 
「現代のポップカルチャーやセレブ、そういった薄っぺらな世界を描いていて、ニュースでアイドルの離婚と集団銃撃事件を同じボリュームで報道する社会を風刺している映画だと思うの。視聴者の判断も怪しくなって、社会の罰則もいい加減になって、正義感や倫理観が恐ろしいほどに混乱してしまった今、この映画を見て何らかの警告を感じてくれれば良いのだけれど。
 
ジュード・ロウとはこれで4回目の共演。最初の共演は『Cold Mountain』(2003)で、その時、私はまだたったの19歳だったのよ! 才能がある上にとっても親切な俳優で、初日の撮影がドラッグでクレイジーになる場面だったのだけれど、お互いに気心が知れている仲なのでスムーズにやり遂げることができたわ。おまけに、新しいスタジオがニューヨークのロングアイランドにできたのだけど、そこは私が育った場所からすぐ近くで。懐かしくて、いろいろ思い出に浸ったりして、とっても居心地の良い撮影だった」。

ナタリー・ポートマン

『Vox Lux』で架空の人気ポップスター、セレステを熱演したナタリー。

旦那さまは、ナタリーがアカデミー主演女優賞を受賞した作品、『Black Swan』(10)で振り付けを担当した、元バレエダンサーのフランス人。
 
「息子と娘は私がフランス語を話すと『ヒドい!やめて!』って耳を押さえるの(笑)。夫と子どもたちはいつもフランス語で私を仲間はずれにして仲良く会話をしているのだから!」。
 
小さい時は「将来、父親の後を継いで医師になって世界中の病気を撲滅する」とか、または「外交官になって世界に平和を持たらす」などと勇ましく抱負を語っていたナタリー。実際はハーバード大を優秀な成績で卒業し、フランス語もヘブライ語もスペイン語もペラペラの優等生なのである。
 
イスラエルはテルアビブ生まれのナタリーは、ユダヤ教信者でもある。家族も信者となり、家族揃って教訓を守り、敬虔に暮らしているという。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2018年12月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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