グリーンカード申請にあたってコロナワクチン接種が必要に?

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私は、現在の雇用主を通してグリーンカードを申請中です。面接前の健康診断を受けるにあたって、新型コロナウイルスのワクチンを受けなければいけなくなるという噂を聞いたのですが、本当ですか?

A.新型コロナウイルスの米国における感染拡大を防ぐため、2021年10月1日以降にグリーンカード取得のための健康診断を受ける申請者に、一部の例外を除いて新型コロナウイルスのワクチンの接種が課せられるようになりました。

新型コロナワクチン接種が、健康診断の新たな要件に

まず、グリーンカードの健康診断に関してですが、アメリカ国内で申請を行う場合は、「I-485」という書類を移民局に提出する際、あるいは面接の際に提出することになります。「I-485」は、アメリカ国内でグリーンカードの申請を行う場合は全ての人が提出する書類で、例えばアメリカ市民との結婚を通して申請する場合には最初の申請時に、それ以外の場合の多くは手続きの最終段階において提出します。日本から申請する場合は、日本のアメリカ大使館指定の医療機関において、この健康診断を受けることになります。

この健康診断で対象とされている疾病は、申請者がグリーンカードを取得した後に接触する集団、または地域社会の中において広まる危険性、すなわち感染性のあるものとされています。例えば、持病等がある方々から、「この健康診断で問題にならないか」という質問を多く受けますが、極端な例で言えば、がんを患っていても、感染性がないためこの健康診断では問題とはなりません。また、仮にこの健康診断で問題が見つかった場合でも、例えばその後に担当の医師をつけ、その医師の監督の下、感染を防ぐ対策を講じることにより、グリーンカードを取得できる方法はあります。ですから、時間はかかってしまいますが、この時点で申請を断念することはお勧めしません。

新型コロナウイルスを除いて現在までにワクチン接種の対象とされている疾病は、ジフテリア、破傷風、百日咳、急きゅうせいかいはくずいえん性灰白髄炎(ポリオ)、麻ましん疹(はしか)、おたふく風邪、風疹、ロタウイルス(発展途上国において多く、特に乳幼児の重症急性胃腸炎の主要な原因病原体)、ヒブ(細菌性髄膜炎:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型:Hib)、A型・B型肝炎、髄膜炎菌感染症(髄膜炎菌が血液や髄液に侵入することによって敗血症や髄膜炎を引き起こす疾病)、水痘(水ぼうそう)、肺炎、インフルエンザです。移民局および国務省は、今回新型コロナウイルスが感染性のガイドライン(42 USC 264)に該当するため、新型コロナウイルスワクチンの接種を、この健康診断で要求されるワクチンの一つに加える判断を行いました。

ここでは、ワクチンが全て完了(例えば、ファイザー、モデルナのようにワクチンを2回接種しなければいけない場合は2回とも接種)していることが求められます。また、新型コロナウイルスの検査での陰性証明があったとしても、当該申請者がグリーンカード取得時において新型コロナに感染していない証明にはならないとして、陰性証明のみでは十分ではないとしています。また過去に新型コロナウイルスに感染したことがあり、体内に新型コロナウイルスの抗体があることが証明される場合であっても認められないとされています。

ワクチン接種の例外と健診にかかる時間の長期化

この新型コロナウイルスのワクチン接種の例外とされるのは、以下の3つのケースです。①年齢:12歳未満でワクチンが受けられない場合。②アレルギー反応などがある場合。アレルギー反応、あるはその他身体的理由により、ワクチンを受けるのが妥当でないと判断される場合。新型コロナウイルスのワクチンの1回目の接種で極度の反応が見られ、2回目を接種するのが妥当でないと判断された場合などもこの例外に含まれるとされています。

このアレルギー反応がどこまで、またどのような形で認められるかのガイドラインは、現在のところ(21年9月7日現在)発表されていませんが、今後詳しいガイドライン、および手続き方法などが発表されるものと予想されます。③ワクチン接種自体が不可能な場合。ワクチンの供給が間に合っていない地域(国)からの申請の場合は、免除されるとされていますが、当然日本からの場合はこの対象ではありません。これ以外にも宗教的な理由などにより免除される場合はありますが、その場合は個別に免除申請を行う必要があります。

グリーンカード申請の際の健康診断は従来、問題がない限り約1週間程度で終えることができました。しかし今後は新型コロナウイルスのワクチン、および従来のワクチン接種を全て終えるのにこれまで以上の時間がかかる可能性が高いため、十分な余裕を持って準備することをお勧めします。

※筆者からのコメント 今回の内容は、2021年9月7日時点の情報です。その後、変化する可能性がありますので、最新
の情報をもとに判断・行動していただくようお願いします。

※このページは「2021年10月1日号ライトハウス・ロサンゼルス版」掲載のコラム『移民法のツボ(瀧 恵之)』を基に作成しています。情報は変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

◎ 瀧 恵之 / Yoshiyuki Taki Attorney at Law
21221 S. Western Ave. #215, Torrance, CA 90501
TEL 310-618-1818 / FAX 310-618-8788
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