サーシャ・ローナン / Saoirse Ronan

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次のメリル・ストリープの呼び声高い若手演技派

成田陽子とサーシャ・ローナン

続々と映画賞の候補に挙がっている『Lady Bird』主演女優のサーシャ・ローナン。「Saoirse Ronan」と書くアイルランドの名前で、先日インタビューをした際、何と発音するのか5回ぐらい聞いてしまった。
 
「女優になるならもっと易しい名前をって警告されたけど、両親が付けてくれた『自由』という意味の大事な名前ですもの。綴りも難し過ぎるっていろんな人に文句を言われるけれど、苦労した後に私の名前を覚えてもらえたら、それこそハッピー! 人と違う名前で自分独自の道を前進、それが私の生き方だと思っているの」。
 
『Atonement』(2007)で嫉妬から偽証をして主人公ジェイムス・マカヴォイを罪に陥れる少女役を激演し、アカデミー助演賞候補になったのが12歳の時。以来、ぐんぐんと若手演技派(しかしかなり地味なタイプ)として注目されてきたが、今回のインタビューには何とホットパンツを履いて現れた。

サーシャ・ローナン

サクラメントに住む平凡な女子高生が、将来や友人、ボーイフレンドとの関係などに揺れ動く姿を描いた『Lady Bird』。

「以前、スタイリストを付けてもらえることになって、最初に私はピンク色、スパンコール、リボン、ひらひらのフリルなどは絶対に駄目って念を押したの。ところが持って来られた服はキラキラのものばかり。困ったな…と思いながら着てみたらすごく似合って、私の頑固な食べず嫌いがすっかり転覆して、それどころか良い仕立ての服を着ると自信が付くのを発見。今日の上着にもキラキラが付いているし、今までだったらこんなに短いパンツなんて絶対に着なかったもの。
 
ネクスト・メリル・ストリープネクスト・メリル・ストリープと呼ばれることをどう思うかって? もちろんスッゴく光栄なことだし、励みになるわ。尊敬している女優はメリルとケイト・ブランシェット。将来は監督業も手がけたいし、アイルランドで育った少女時代の思い出を書いて、それを映画化できたらと野心に満ち溢れているのよ! レディー・バードみたいに反抗心は持たなかった。両親は一人っ子の私を深く愛してくれて、満ち足りた生活を送れたもの。毋とはとっても仲が良くて、何でも相談できるのよ」。
 
次は『Mary, Queen of Scots』で主人公のスコットランドの女王
役に挑戦するサーシャ。これからの活躍がますます楽しみな女優である。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

 

(2018年2月16日号掲載)
 
※このページは「ライトハウス・ロサンゼルス版 2018年2月16日」号掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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