教育コンサルタントの仕事から見る受験の1年

将来のキャリアステップであるアメリカ大学進学について、教育コンサルタントが解説します。
 
受験生にとって5月1日は特別な日です。アプライした大学の結果は3月末にほぼ出揃い、受験生は合格大学の中から進学大学を1つ決めてデポジットを収め、大学の籍を確保します。その締め切りが5月1日なのです。教育コンサルタントの仕事は、受験生が進学する大学を決める日まで続くため、私にとっても5月1日は特別です。
 
今回は、教育コンサルタントの仕事を紹介しながら、受験生の1年間をご説明します。

こうして始まるコンサルタントの仕事

アメリカでは、教育コンサルタントの支援を受けながら大学を探し、アプリケーションの準備を進めることが広く行われています。なぜなら、アメリカのアドミッションは常に変化している上、とても複雑。しかも、奨学金を含めた学費も重要なポイントとなるなど、それらすべてを考慮しながら、全米規模で最適の1校を見つけるのは至難の業だからです。
 
さて、教育コンサルタントは、毎年5月に入るとすぐに全米教育コンサルタント協会(IECA)主催のカンファレンスに参加します。カンファレンスは年2回開催されますが、5月は大学のアドミッション担当者からアドミッション直後の最新情報が入手できるため、とても貴重な機会です。カンファレンスの場所は毎回変わりますが、今年(2012)の5月はボストンで開催されました。
 
また、カンファレンス前に教育コンサルタント向けの大学見学ツアーが開催されます。コンサルタントにとって、数多くの大学を訪問することは極めて重要であり、この機会を最大限に活用して、各大学の情報収集を行います。

早期締切の私立大の鍵は夏休中のエッセイ執筆

5月から6月は、11年生(ジュニア)のクライアント向けに、大学のリストアップと絞り込みが本格化。大学訪問をした学生の感想に耳を傾けながら、学習目標や経済的ニーズを考慮して大学を絞り込みます。同じリストは2つと存在しない完全な個別対応となるため、この作業にはかなりの時間を要します。
 
夏休みに入るとすぐに、アプリケーションで必要なエッセイの準備に取りかかります。学生の優れている点をしっかり伝えるためにも、家族を交えてブレインストーミング(ブレスト)を行います。日頃はスカイプやメールでやり取りする遠方の方に対しても、ブレストは極力対面で行いたいため、私は全米各地、および日本を訪問してミーティングを行います。
 
ブレストが終わると、学生はエッセイの執筆に取りかかります。目標は、夏が終わるまでに3つのエッセイを仕上げること。「夏休みから始めるのは早過ぎる」と思われるかもしれませんが、私立大学の早期締切(Early deadline)に間に合うように準備するためには、夏にどれだけエッセイを仕上げられるかが勝負となります。

通常締切の合格発表は3月中旬以降に集中

 

高校最後の学年が始まる秋からは、アプリケーションを仕上げ、提出する作業に入ります。アプリケーションの締め切りは11月初旬から年明けまでとさまざまです。アプリケーションを堤出した後も、大学や学部によっては面接があったり、オーディションや作品堤出があったりするので、期限内に志望大学すべてのアプリケーションを完成できるよう、綿密な計画を立てて準備を進めます。
 
早期締切で受けた大学の合格発表は、早ければクリスマス前に行われますが、通常の締め切りで受けた大学の合格発表は3月中旬以降に集中します。IECAの調査によると、教育コンサルタントのサポートを受けていない学生の80%は州立大学に進学し、サポートを受けている学生の80%は私立大学に進学するそうです。私のクライアントも私立大学狙いの学生が多く、結果が出揃ってから約1カ月間は、合格した各地の私立大学を巡るのに大忙しです。大学訪問から帰ってきた学生の報告を聞き、実際に進学する大学を決めるところまで見届けて、私のコンサルテーションは終わります。
 
スポーツ奨学金を狙うアスリートや、日本やカナダの大学を目指す学生の場合はスケジュールが異なりますが、これについては別の機会にお話しします。
 
(2012年5月16日号掲載)

「米国大学進学ガイダンス」のコンテンツ