アドミッションの推薦状概要と対策

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(2024年4月号掲載)

アメリカの大学の入学審査は書類選考で行われ、その際に高校の先生やカウンセラーからの推薦状の提出が必要となる場合が一般的です。大学のアドミッション担当者は、高校の成績やテストスコアに表れない人物像を知るために、エッセイを課したり面接を行ったりしますが、推薦状も活用されます。

推薦状だけで合否が決まることはあまりありませんが、難関大学のアドミッションでは重要な要素の一つです。

推薦状の種類と提出方法

Common Application(推薦状を課す大学の多くが採用する共通出願システム)を通じて提出する推薦状は、Teacher Evaluation(高校の先生に書いてもらう推薦状)と、Other Evaluation(それ以外の先生や指導者から書いてもらう推薦状)があります。Teacher Evaluationは、1通または2通要求される場合が多いです。Other Evaluationは必須ではありませんが、追加で提出できる大学が多いです。先生の推薦状に加え、進路カウンセラーの推薦状を要求する大学もあります。

Teacher Evaluationは、“Ratings” と“Evaluation” のセクションに分かれています。“Ratings” では、クラスの他の生徒と学習面を比較し、Quality of Writing、Creative Thought、Self Confidence、Concern for Othersなど15項目8段階で評価します。“Evaluation” では、その学生の特長を1000字以内の文章で評価します。

Other Evaluationには“Ratings”のセクションは無く、“Evaluation”のみです。 Common ApplicationやCoalition Applicationなどの共通出願システムで推薦状を出す先生は、推薦者のアカウントを作り、オンライン上で推薦状を仕上げます。郵送での提出も可能ですが、オンラインなら同じ推薦状を複数の大学に同時に提出できるので、オンラインで提出する場合がほとんどです。

推薦状の依頼方法

推薦状は11年生でクラスを取った先生に書いてもらうのが一般的です。推薦状を書いてもらうのは、12年生の9月頃ですが、書いてもらいたい先生には、11年生が終わる前に依頼することをお勧めします。その時点では口約束で十分です。12年生になると、どの先生も数多くの推薦状の依頼を受けます。先生が対応できる人数には限りがあるため、その枠を早めに押さえてしまう方が得策です。

推薦状の重要性

大学進学の際、高校の成績が重要なのは言うまでもありませんが、共通出願システムで提出するエッセイも極めて重要です。学生が今までどのような経験を積み、どう成長したのかを、アドミッション担当者はエッセイを通じて読み取ります。

近年はChatGPTなどの生成AIでエッセイを仕上げるケースもあり、提出されたエッセイが学生本人をきちんと表しているか、アドミッション担当者が不安を感じることも増えてきています。そのため、推薦状の重要性が以前よりも増していると考えられます。

では、どのような推薦状が最も効果的なのでしょうか。それは、自分が提出したエッセイを、うまくサポートしてくれる内容の推薦状です。自分の努力や成長をエッセイで示し、その活動を先生にも評価してもらえば、アドミッションで大いに評価されます。

効果的な推薦状を先生に書いてもらうには、自分が書いたエッセイを前もって先生に渡しておくのが、最も手っ取り早いでしょう。先生がエッセイを読んでから推薦状を書けば、エッセイを引き立たせるような推薦状に仕上がるはずです。

(2024年4月号掲載)

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