2020-21年度の大学アドミッション総括

ライトハウス電子版アプリ、始めました

少し前の本コラムで、UC(カリフォルニア大学)のアプリケーションが16%増加したことや、難関大学のアーリーデッドラインのアプリケーションが大幅に増えたと伝えました。5月を過ぎ、各大学の合否がほぼ出そろったので、今年度のアドミッションを総括します。

難関大学の競争激化

アイビーリーグなど難関校のアプリケーションの増加は、レギュラーデッドラインでも続きました。スタンフォード大学は、アプリケーションの急増にアドミッション作業が追いつかず、合否発表を当初予定していた4月1日から9日に延期したほどです。アイビーリーグ8校のアプリケーション総数は、前年度から10万人増えて40万人となりました。総合大学だけでなく、難関リベラルアーツ・カレッジもアプリケーションが軒並み大幅増となりました。
2020-21年度のアドミッションでは、ほぼ全ての大学がSATやACTのスコアの提出を必須条件から外し、テストオプショナルになりました。これがアプリケーション急増の要因であることは言うまでもありません。また、ファイナンシャル・エイドが充実している大学の人気が高まったことも大きな理由として挙げられます。長引くパンデミックが家計に影響を及ぼす中、ファイナンシャルニードを全額負担してくれる大学の人気が高まりました。例えば、テストオプショナルを導入して3年目のUChicagoのアプリケーションは9.4%増でした。つまり、UChicagoはテストオプショナル・バブルの影響は少なく、増加分はパンデミックの影響のみと言って良いでしょう。

テストオプショナルの利用拡大

20-21年度のアドミッションでは、受験生のテスト離れが鮮明になりました。全米800校以上で採用されているコモン・アプリケーションでは、今年度のアプリケーションでACTまたはSATのスコアを提出した人は44%と、昨年度の77%から大幅減となりました。
パンデミックによるテスト会場の閉鎖で、テストを受けたくても受けられなかった学生は少なくありませんが、意図的に受けなかった学生が相当数いたことも判明しました。人種間の差は大きく、黒人・ラテン系と比べて白人・アジア系のスコア提出率が高いことも、コモン・アプリケーションのデータからはっきりました。ACTやSATのスコア提出の義務付けがアドミッションの公平性を欠くという点は、以前から指摘されていました。 20-21年度のアドミッションで、マイノリティーや低所得者層のアプリケーションが大幅に増えたことからも、テストオプショナルは大学と受験生の両者に大きなメリットがあるWin-Winの制度と言えるでしょう。

来年度以降のアドミッションの展望

今年度限定でテストオプショナルを導入した大学のほとんどが、来年度も継続することは間違いないでしょう。さ らに、テストスコアをアドミッションで一切考慮しないテストブラインドに移行する大学も、増加すると予想されます。高校のカウンセラーは、ACTやSATの受験を勧めなくなり、テストスコアを提出する学生は、さらに減少するでしょう。これに伴い、マイノリティーや低所得者層のアプリ ケーションがさらに増加し、難関大学の競争は一段と激化すると考えられます。
アドミッションでは、受験生の高校での学習成果を評価するため、さまざまな取り組みが行われていますが、この試行錯誤は今後も続くでしょう。高校の課題で提出した論文や作品などの 提出を求めるケースも、これから増えると思われます。アドミッションからテストを排除することで、高校生が受験対策よりも学校の活動に注力しやすくなるのは望ましい変化です。これから進学準備を始める高校生も、日々の学習に地道に取り組むことをお勧めします。 (2021年5月16日号掲載)

海外に暮らす学生のための「日本の大学への進学&留学ガイド」サイト

「アメリカ大学進学ガイダンス」のコンテンツ