アスリートのリクルーティング対策

スポーツに積極的に取り組んでいる高校生の中には、大学でもアスリートとしての活動を希望する学生が数多くいます。アメリカの大学は、アスリート学生をアドミッションで高く評価し、スポーツ奨学金制度で経済的に支援しています。そのために全米はもとより世界中からアスリートが集まってきます。今回は、アスリートの大学進学についてお話しします。

大学スポーツの仕組み

NCAA 大学数 アスリート数 全学部生に対する
アスリートの割合
DivisionⅠ 346 176,000 4 %
DivisionⅡ 307 118,800 10 %
DivisionⅢ 439 187,800 21 %

NCAA(全米大学体育協会)に所属する大学は約1000校あります。NCAA以外の団体に所属する大学もあり、4年制大学の大半は何らかのスポーツチームを有しています。NCAAはⅠからⅢの3つのディビジョンに分かれていて、一般的に規模が大きくスポーツに力を入れている大学がディビジョンⅠ、小規模でアカデミック重視の大学がディビジョンⅢ、その中間がディビジョンⅡに属しています。競技のレベルはディビジョンⅠが最も高いのですが、ディビジョンⅡやⅢでも競技によっては強いチームを持っている大学があります。
ディビジョンⅠとⅡの大学ではアスリートのための奨学金制度(スポーツ奨学金)があります。ディビジョンⅢの大学にはスポーツ奨学金はありませんが、その代わりにメリット・スカラシップの中でアスリートとしての評価が加えられます。従って、どのディビジョンであってもアスリートとしての能力が大学から評価されれば、学費の軽減につながります。

大学でスポーツを続ける意義

スポーツ奨学金は、プロ選手を目指すトップアスリートだけのものではありません。NCAAに所属する大学では約48万人の大学生がアスリートとして活動していますが、その中で将来プロフェッショナルとして活動するのはわずか2パーセントです。大半の学生は、大学卒業後は競技者以外の進路を歩むことになります。
では、大学でスポーツを続ける意義は何でしょうか。さまざまな考え方がありますが、その一つに、学業とスポーツを両立させることで人間的に大きく成長することが挙げられます。スポーツを通じてチームワークやリーダーシップの経験が身に付き、また学業とスポーツの両立で修得した「自律」や「時間管理」等の能力は、社会に出た時に大いに役立ちます。

リクルーティング対策

高校でアスリートとして活動している780万人のうち、NCAAのアスリートになれるのはたったの6パーセントです。その6パーセントに入るためには、大学のコーチの目に留まり、リクルートされる必要があります。しかし、何もしなくてもコーチから声がかかるのは、ごく一部のトップアスリートだけ。大半の学生は自らコーチに連絡を取り、自分を売り込まなくてはなりません。 大学からリクルートされるためには、自分に合うチームを見極めることが重要なポイントです。競技のレベルはディビジョンやチームにより大きく異なります。高いレベルでのプレーが目標ならディビジョンIの総合大学、学業を優先しながらスポーツに取り組みたい学生はディビジョンⅢのリベラルアーツ・カレッジというように、自分に合った大学を選んでコンタクトします。
とは言え、どの大学のチームが自分に合うのかを判断するのは難しいので、最初はなるべく多くの大学に連絡を取りましょう。100校を目標に大学チームのヘッドコーチまたはリクルーティングコーディネーター宛にメールを送ることをお勧めします。コーチ宛のメールでは、アスリートとしての成果、成績を示すと共に、自分がプレーしている動画のリンクも載せると良いでしょう。
高校の成績や、ACT・SATのスコア、大学で学びたい専攻など、アカデミックについても伝えます。コーチにとってアスリートとしての能力はもちろん重要ですが、学力面でリクルート可能な学生かどうかの判断も極めて重要です。
大学のコーチからリクルートの対象者に選ばれると、アスリートとしての入学審査の対象となり、この入学審査を通過すると進学が認められます。つまり、大学のコーチにリクルートされることが、NCAAアスリートへの第一歩となるのです。
 
(2017年3月16日号掲載)

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