出願エッセイでAIは使えるか(1)AIの活用ガイドライン

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(2025年12月号掲載)

生成AI(Generative AI)の登場は、教育の現場に大きな変化をもたらしました。学生の間でも、レポート作成や英作文の練習に活用する例が増えており、「AIを使いこなす力」そのものが新しいリテラシーとなりつつあります。

しかし、教育関係者の間では懸念も広がっています。とりわけ議論を呼んでいるのが「大学出願エッセイを書く際に、生成AIを使うことは許されるのか」という問題です。出願する学生にとっても、自分が書いたエッセイをAIに手直しをしてもらって良いのか、またそのことが合否にどのような影響を及ぼすのかは極めて切実です。

最近は、出願書類の中で「AIの倫理的利用に関するガイドライン」を示す大学が増えています。一例として、Caltech(カリフォルニア工科大学)のガイドラインを下記にご紹介します。

アドバイスと執筆は全く別のもの

Caltechが示すように、AIを使うこと自体が全て悪いわけではありません。多くの学生にとって出願エッセイは大きな挑戦です。最初の一歩でつまずくことも多いでしょう。AIにアイデア整理を助けてもらったり、段落構成の例を示してもらったりすることは、非常に有効です。特に英語が母語でない学生にとって、文法の確認や語彙の手直しをAIに助けてもらうのは合理的です。これは先生や友人にアドバイスをもらうのと本質的には大きく変わりません。

ただし、AIにアドバイスを求めるのと、AIにエッセイを書いてもらうのは、次元が異なります。

人間とAIのエッセイは判別できる?

倫理的な問題もさることながら、AIによって書かれた出願エッセイを、アドミッションは評価するでしょうか。

コーネル大学が3万本の人間による大学入試エッセイと、AIが生成したエッセイを比較分析した結果、AIのエッセイは非常に一般的で、人間の文章と容易に区別できると明らかになりました。大規模言語モデルは、エッセイのモデルとなる人物の具体的特徴を与えても、独自性のある話を作るのは難しく、むしろ特徴を与えることによって文章がより機械的になる傾向があるそうです。

最初からAIに全文を書かせると、実在の志願者らしさが感じられない、ありきたりなエッセイになると研究者は指摘しています。AIは、アシスタントとして使うことが重要です。この姿勢を保てば、AIは進学準備をサポートしてくれる良きアドバイザーとなります。

(2025年12月号掲載)

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