
(2026年2月号掲載)
増え続ける訪日観光客
ルールのシェアで快適に
オーバーツーリズム対策で、日本は出国税を値上げ予定。宿泊税の増税も各地で検討されている。
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相変わらず日本には外国人旅行者があふれている。ここアメリカからも大勢が日本を目指している。読者の皆さんの周囲でも、同僚や友人、あるいは隣近所の人が日本に観光に行ったとか、日本に興味を持っているということが多くなっているのではと思う。
その結果として、年間のインバウンド(来日)観光客の人数は、2025年には4000万人を超えており、各地で対応が追いつかないなど弊害も出てきた。いわゆる「オーバーツーリズム」である。では、今はもう海外から日本へ観光に行くのは推奨しないほうが良いのかというと、そこまではいっていないと思う。確かにネット上には排外的な発言が目立つようになってきた。だが、実際の日本人は「おもてなし」の心を捨てたわけではないし、事実、観光客とのトラブルが増えたという話は聞かない。もしも、知り合いの方が、初の日本旅行を計画しているのならぜひ後押しをしていただきたい。
その場合だが、日本旅行の際の注意点について、いくつか役に立つことを伝えていただけたらと思う。まずは、基本ルールの部分だ。公共交通機関の車内は静粛にするとか、民泊では近所迷惑になるような騒ぎはしない、ゴミ箱が少ないのでゴミを出さない工夫をするなどの点は、初心者の段階から知っておけば滞在がスムーズになると思う。
少し具体的になるが、日本国内の移動時には新幹線を利用することが多いと思われるが、大きな荷物は避けるのが賢明だ。大型スーツケースは、東京か大阪のホテルに預け、日本国内の小旅行は小さなバックパックなどで移動するのがスマートといえる。
人気の目的地ということになると、日本初心者にはやはり京都は外せないかもしれない。だが、京都の場合は外国人観光客がキャパシティーを超え気味であり、何よりも市内のバスは慢性的な混雑となっている。京都観光の場合は、地下鉄と私鉄、JRが縦横に走っており、こちらを利用するのが賢明だ。特にスーツケースを抱えてバスに乗るのは避けるよう伝えてほしい。
まだまだある、知られざる魅力的な観光地
一番大切なアドバイスは、外国人が殺到する人気観光地は、本当に外国人ばかりなので避けるということだ。日本は全国で均一のサービス水準やインフラが行き届いており、初心者でも「知る人ぞ知る」目的地を選択して後悔することはないと思われる。
富山や長崎はNew York Times紙が「行くべき土地」に選んでしまい混雑が予想される。けれども、四国4県をはじめ、西日本なら岡山、鳥取、島根。東日本なら北関東や東北。城が見たければ姫路城でなく松本城とか、小京都なら津和野や丹波篠山など、魅力的な場所はいくらでもある。
例えば日本に近い中国には、日本観光マニアとも言うべきリピーターが大勢いるが、彼らは口をそろえて「中国人観光客のいない場所」を探して行きたいという。そうしたマニアのウェブサイトなどは参考になる。大切なのは、一見するとマニアックな「地味な観光地」でも、日本的な社寺や自然が見られれば、初心者にも十分に満足できるということだ。
あとは、せっかく日本に行くのだから、ホンモノの日本の味を経験してもらうということだ。アメリカでは現地化した「なんちゃって日本食」が増えている。またラーメン店などは、スープを薄めて利益確保に走るような店も増えてきた。そんな中で、本場におけるホンモノは必ずアピールすると思う。ラーメンにしても寿司にしても、ホンモノを経験してもらえば、アメリカ人でも「なんちゃって」には我慢できなくなってアメリカの日本食の質向上になるのではないかと考える。
初心者にとって日本旅行というのは、超長距離フライトと時差の先に現れる究極の異文化圏となる。少しでも事前知識があれば、そのハードルを超えるのは楽になるし、滞在経験もより良いものとなろう。私たちにできることはたくさんありそうだ。
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