ジョン・マルコヴィッチ / John Malkovich

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(2023年9月号掲載)

奇抜でエキセントリックな俳優といえばこの人

ジョン・マルコヴィッチと成田陽子さん

昔は変人、奇人の類がひしめいていたハリウッドだが、今は見事なまでにクリーンな俳優ばかり。その中で、ジョン・マルコヴィッチは崇高なまでに、自己中心的で、奇抜でユニーク、エキセントリックな性格を維持している。
 
8歳ぐらいの頃、太っちょだったジョンは「トニー」という名の空想の少年を創り出し、スカーフを首に巻いて自信たっぷりに行動するトニーとの「ダブルライフ」を楽しんでいたという。そのトニーが今はジョンと一体化した結果、お洒落で人気者の俳優となったと言えよう。実際にジョンはよくスカーフやベレー帽などを上手に身に着けてインタビューに現れる。
 
彼に初めて会ったのは、『Dangerous Liaisons(危険な関係)』(1988)の時。ピチピチの若いユマ・サーマンを誘惑するフランスの伯爵を演じたが、撮影中に共演のミシェル・ファイファーと恋仲となり、当時の妻に離婚されるというスキャンダルを巻き起こした。当時35歳のジョンは、デカダンでユニークなルックスが特徴の若き二枚目だったが、少し後から「奇怪な変人」の役が多くなり、当人もそれを楽しんでいるようだった。

『The Portrait Of A Lady』の頃のジョン・マルコヴィッチと成田陽子さん

ヘンリー・ジェイムズの小説を映画化した『The Portrait Of A Lady(ある貴婦人の肖像)』(1996)の時のジョンと私。同作品は、19世紀のヨーロッパで、若いアメリカ人女性が結婚と独立を模索する姿を描いたもの。

作品の中で最もへんてこりんなのは『Being John Malkovich(マルコヴィッチの穴)』(1999)だろう。ジョン・キューザックとキャメロン・ディアスの夫婦(美男美女の二人がボサボサの髪で冴えない役なのがミソ)が穴を見つけて入るとジョンの頭の中にたどり着き、そこでは女装のジョンが食事をしているという奇想天外なプロットの映画だ。
 
最近のインタビューでは、「マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で大好きな庭仕事などしては、想像力を養っている。俳優、プロデューサー、デザイナー、劇場管理者、アーティストとしてのアイデアが天空を飛び交うんだ。(以前住んでいた)フランスでの暮らしは、家の修理人が全く信用できないなど喜劇的だったが、それはそれで面白かった」と、トレードマークのソフトかつスローな声で話してくれた。彼とオーウェン・ウィルソンは、早口のセリフが話せない珍しい俳優なのである。
 
ちなみにファッションデザイナーとしての一面もあるジョンは、「Mrs. Mudd」「Uncle Kimono」などのブランドを持つ。全て自分でデザインしているという。
 
まもなく『Well Done!』というフランスの映画で執事役を演じ、お得意のフランス語を披露する。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・カリフォルニア版 2023年9月号」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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