タロン・エガートン / Taron Egerton

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(2025年1月号掲載)

世界に轟く、チャーミングな“雷の子”

タロン・エガートンと成田陽子さん

Taronという珍しい名前はなんと母親のスペルミスで、ウェールズ語でTaran(雷)という、すさまじい響きの名前のはずだったそうだ。なんとなく両親のお気楽さが感じられて微笑ましい。
 
「雷とか嵐は大好き。何か胸がワクワクして冒険心がうごめいてくるから」とは、タロンに初めてインタビューした『Testament of Youth(戦場からのラブレター)』(2014)の際のコメント。小柄な体に陽気なエネルギーが飽和状態で、おまけに謙虚で礼儀正しくて、自然にハグしたくなるような25歳だった。15歳の時から俳優を目指し王立演劇学校に入学したもののあまりぱっとせず、一時はアニメーションの道に進もうとピクサーを目指したこともあったという。『Kingsman: The Secret Service(キングスマン)』(2015)で、不良少年がロンドンのサヴィル・ロウでカスタムメイドしたスーツの似合う紳士(兼スパイ)になる役で一躍スターに。
 
「僕自身、高級紳士服なんて着たこともなかったけど、着心地の良さで自然に一流の気分になって、自信も湧き、格調あるジェントルマンになってしまう。以来、スーツこそ男性の外出着と決めて、大好きになったよ。でもロンドンの僕の住居には故郷のウェールズの民族アートを飾って、素朴な雰囲気を大事にしている。やっぱりウェールズの家族が恋しいから」と素朴な顔も見せて、とびきり爽やかな若手俳優の面を見せてくれた。
 
エルトン・ジョンを演じた『Rocketman(ロケットマン)』(2019)ではゴールデングローブ主演男優賞を受賞。劇中の歌は全てタロンが歌っている。
 
「実はドラマスクールで歌唱賞を受賞したことはあるものの、やっぱりエルトンの歌を歌うには未熟過ぎて尻込みした。でも、『雷の子』なのだから世界を鳴らしてみようと挑戦した。エルトンも親身になってサポートしてくれて、僕は天下一ラッキーだと心底思っている。ミュージカルもやってみたいと思っていたから、ダンス場面も基本から練習した。何でも試みて、あらゆる可能性を広げていきたい。末長くキャリアを続けたいから役を選ぶ時はやっぱり慎重に、私生活も健康で、平和な生き方を続けていきたいと思っている」。
 
過去にロマンスはあったものの現在は独身。祖母を運動ニューロン疾患で亡くしたため、この病気の患者支援組織の大使を務めている。ひたすら家族想いで優しいのだ。
 
新作『Carry-On(セキュリティ・チェック)』(2024/機内手荷物と続行のダブルの意味)では不審な人物と関わり合いになる空港のTSA職員を演じるという。

成田陽子

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。

※このページは「ライトハウス・カリフォルニア版 2025年1月号」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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