(2025年4月号掲載)
新境地への挑戦で見事オスカーを獲得!
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『Emilia Pérez(エミリア・ペレス)』(2024)で晴れてオスカー助演女優賞を獲得したゾーイ・サルダナ(全米映画俳優組合賞、ゴールデングローブ賞などで助演女優賞を受賞)は、舞台上で感極まった表情でこうスピーチした。
「私は移民の両親から生まれたことに誇りを持ってます! 夢を持ち、努力を重ね、尊厳を抱いてアメリカで生きてきました」。
「この映画の話を聞いた時、これは私のためにある役だからマネージャーに『絶対に獲得してほしい』と頼みました。いざ脚本を読んだらメキシコ人役、それも全編スペイン語、オペラのような構成で歌と踊りが絶対に必須と知り、私にできるかなあと少しばかりおじけづきました。でも監督とZoomで話して徐々に自信が付いてきたんです。ダンスは若い頃かなり練習して、それなりにこなせるとは思ったけれど、歌はまるっきり駄目だし、私のスペイン語は故郷のドミニカ共和国の話し言葉でメキシコのアクセントとはかなり違うし、でも私にとって命がけの挑戦と考えて飛び乗りました。傷付いて、壊れやすくて、絶望的な女性たちを描いた複雑なドラマで、私は今まで使っていなかった演技の筋肉を思いっきりストレッチして役作りをしたんです。シニカルな性格も現実的で共感できました」。
『Emilia Pérez』のゾーイはメキシコの麻薬組織の親分を助ける弁護士役、親分は元男性で、現在は身分を隠すために性転換をした女性、おまけに全編がミュージカルという、とびきりユニークな映画。
ゾーイはドミニカ共和国出身の父親とドミニカとプエルトリコの血を引く母親の元にニュージャージー州で生まれ、10歳の時にドミニカに移住。小さい頃からクラシックバレエを習っていたものの、将来プリマ・バレリーナになることなく、ずっと群舞の一人として踊るのは耐えられないと、女優に転向。
2013年にイタリア人のアーティスト、マルコ・ペレゴとロンドンで結婚。3人の息子が生まれ、家族全員が3カ国語(英語、スペイン語、イタリア語)で会話するというグローバルな生活を送っている。
2016年に橋本病(慢性甲状腺炎)にかかっていると公表し、グルテンフリー、デイリーフリーの食事をして健康を維持しているそうだ。
オスカーの栄冠を得た現在、企画が9本ととびきりの売れっ子スターとして、ハリウッドのAリストの仲間入りを見事に果たしたのである。

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。










