(2024年12月号掲載)
大胆かつ繊細、信念に生きる
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「78歳になった今は逆に子どもたちに教育されている。それがとっても心地良いのよ」とおだやかなコメントをするスーザン・サランドン。1993年のオスカー授賞式でハイチ移民をサポートするメッセージをゲリラ行動で発言して出入り禁止になったり、2016年にはヒラリー・クリントン大統領候補を危険人物扱いしたり、つい最近はイスラエルとハマスの戦闘で反イスラエルを唱えて所属するエージェンシーから外されたりと、ハリウッドでも名うてのプログレッシブな左翼思想を貫いている勇ましい存在なのである。
『The Hunger(ハンガー)』(1983)でフランスの大スター、カトリーヌ・ドヌーヴと熱いレズビアンの場面を繰り広げてハリウッド初のスター同士のタブーセックスを演じたと世界中で注目され、この映画で共演したデヴィッド・ボウイとは恋人関係に。他にもフランスの映画監督ルイ・マル、ショーン・ペンなどと恋人になった。12歳年下のティム・ロビンスと1988年から同棲し、2009年に別れた後のインタビューでは、「ティムが私に『年取ったね』って言うから、いつものドライなユーモアかと思って気にしないでいたら、しばらくしてまた『年取ったね、もっと若く見せられないの?』てなことを言って、おかしなことを何度も聞くな、本当に若返ってほしいのだったら整形でもするかな、やっぱり嫌だ、と考えているうちに実際に別れることになってしまい、私はその後1年間家に引きこもって鬱々と暮らした」と正直な告白をして、びっくりしたものだ。勇敢な女性闘士の寂しい本音は痛々しかった。ティムはその後、続々と若い女性との交際を始めたという。
『Lorenzo’s Oil(ロレンツォのオイル/命の詩)』(1992)でイタリア系の女性を演じたので、そのアクセント(訛り)について聞くと「そういう質問をするあなたこそアクセントがあるじゃない」と少しばかり的外れの返答をして私はちょっとぶぜんとしたのだが、常に自分の考えをストレートに言っては物議を醸す彼女の習性なのだろう。
最近はシニア女性の機会を増やすべきという使命に燃えている。
「若いスターの映画はそりゃあ楽しいけど、年寄りの賢い、または馬鹿な行動を見るのも楽しいものよ。薬箱ばかり眺めてないで勇気を持って冒険を求めて外に出かけましょう。次に来るかもしれないロマンスを両手を広げて待つ、という広い心を持つのも大事」。
最新作の『The Fabulous Four』(2024)では、ほとんど同い年のベット・ミドラーとシニアの友情を張り切って見せてくれる。

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。










