(2025年7月号掲載)
映画界のレジェンドは今も最前線!
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新作『The Alto Knights(アルト・ナイツ)』(2025)でロバート・デ・ニーロは初めて一人2役を演じた。それも両方共マフィアの親分という、彼なら寝ぼけていても演じられそうな役なのである。「演ってみようじゃないか!今までトライしたことないし、技術的な挑戦を受けてみようと思った。監督のバリー(レヴィンソン)も旧知の仲間だし」とトライベッカ映画祭で気軽にコメントしていた。
最近は、29歳になるトランスジェンダーの娘に対する優しい理解を見せて注目されている。双子の息子の一人として生まれて、2024年からホルモン療法をしているそうだ。「他人や自己を傷つけたり、社会を破壊するような行動に出ない限り私は彼らをサポートする。ただ、トランプのような行動を取ったら、すぐさま親子の縁を切る」。
デ・ニーロのトランプ嫌いはつとに知られている。2016年のトランプ大統領へのコメントは罵詈雑言にあふれていた。「トランプは救いようもない馬鹿で、犬で、豚で、雑種で、間抜けで、税金逃れの国宝級の大災害だ。僕は今怒り心頭に発して、あいつの顔にパンチを食らわせたい!」という直情的なものであった。
約20年前までは、インタビューでどんなに工夫を凝らした質問をしても、簡単なことを聞いても、答えはほとんど「うーむ。よく分からない」「うーむ。イエス」と、うーん、うーむと唸ってばかりで具体的な内容はまず話さなかった。脚本がないと何もしゃべれない口下手なのではないかと思ったことさえある。実際のところ、一旦役を得ると途端に勇ましく雄弁になる俳優が多いのは確かだ。
取り付く島がないというより、一生懸命答えようとするものの言葉に詰まり、世界的スターのデ・ニーロらしく答えようとするあまり、唸り声かため息しか出てこない、その努力がのぞけて同情心さえ湧いてきたほどだった。なにしろ、天下の『Raging Bull(レイジング・ブル)』のジェイク・ラモッタ、『The Godfather(ゴッドファーザー)』のヴィトー・コルレオーネ、『The Untouchables(アンタッチャブル)』のアル・カポネである。
寿司好きが高じて店のオーナーになったことについては、「週に3回は食べるね。何でも好きだが、特にイクラやウニが大好きだ。ノブ(松久信幸)と親しくなって『NOBU』という店を共同でニューヨークにオープンしたのが1994年。以来、ロンドンやメルボルンなど世界中に『NOBU』を開店してきた」と、やっとほほ笑ましいコメントが返ってきた。
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成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。










