(2026年2月号掲載)
キュートなロマコメキャラから演技派へ
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新作『Song Sung Blue(ソング・サング・ブルー)』(2025)でニール・ダイアモンドの「ものまね」夫婦バンドの妻を熱演中のケイト・ハドソンが、晴れてゴールデングローブ賞候補に選ばれた(残念ながら受賞せず)。彼女が世界的に注目され、ゴールデングローブ賞受賞に加えオスカー候補にもなった『Almost Famous(あの頃ペニー・レインと)』(2000)からちょうど25年。そんな背景も手伝ってセンチになってのコメントを出した。
「全てがヒュー(・ジャックマン、夫役)のおかげ。彼が最初に配役された時、妻の役はケイトにしてみたらと言い出してくれたから。正直な話、すごくナーバスになったの。ニールの歌もよく知らなかったし、赤裸々な感情の爆発を見せる場面が多くて、その上にハードな歌唱力が必要だった。途中で事故に遭って身体障害者になってしまう過酷な運命もショッキングだし。中西部のアクセントを練習し、15ポンド太って柔らかで優しい体型にして、ちょうどホリデーシーズンだったからいつもなら制限するごちそうをパクパク食べて、それだけはハッピーだったけど(笑)」。
ジャックマンとハドソンはいつもなら得意のロマコメで都会的で洗練された役を演じるのだが、今回はドサ回りのあか抜けないカップル役。そこが新鮮で、映画のトーンとビジュアル効果を強めている。
ご存知のように母親は女優ゴールディ・ホーン、父親はビル・ハドソンという歌手。女優・歌手になるべくして生まれ、今で言う「ネポベイビー(Nepo Baby)」としてカリフォルニアの太陽を浴びて、健康志向、無頓着なお嬢様として育ち、演技派などと欲張らず、キュートでスタイリッシュな存在を見せてきた。初めてインタビューしたのは『Almost Famous』の時で、爽やかで深窓の令嬢のような空気をまとって、質問にも丁寧に優等生のように答えてくれた。
「私の家族は全員ロックンロールまっしぐらだから、いつもビートがこだましているような家なの。何たってカート(・ラッセル、ホーンのパートナー、実父より父親な存在)は若い頃エルビスの役を演じたんですもの!」と誇らしげだ。
今までに少なくとも3人のロッカーと結婚や婚約をし、現在の婚約者はダニー・フジカワという日系人の元歌手。まさにロックにハマった生活を送っている。
2026年4月に47歳。ロマコメの旬を過ぎた美人女優の典型的な落とし穴に落ち込みそうだったが、ここに来て待望の「演技派」のレベルに到達したようだ。

成田陽子
なりた・ようこ◎ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会に属して30年余の老メンバー。東京生まれ、成蹊大学政経学部卒業。80年代から映画取材を始め、現在はインタビュー、セット訪問などマイペースで励行中。










