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クールジャパン特集(4)
ニッチイベントから、市場調査やコンテンツ提供の場に変貌

Lighthouse編集部


日本アニメーション振興会

7月2日〜5日に開催された「第24回アニメエキスポ」。4日間の来場者数は26 万人を超え大盛況を博した(ロサンゼルス・コンベンションセンター)

日本のアニメーションとアニメ文化に関連 している芸術・事柄を促進するために活動する組織。ロサンゼルスで開催される北米最大アニメコンベンション「アニメエキスポ 」をはじめ、サンディエゴのアニメ・マンガイ ベント「Anime Conji」、国際会議「プロジェ クトアニメ」など、さまざまなイベントやプロジェクトを手掛けている。


ビジネスチャンスをつかめ!アニメエキスポで市場調査

1992年にスタートしたアニメエキスポは、今年で 24回目を迎え、参加登録実数は、9万。
500人4日間の延べ来場者数は26万700人となりました。来場者数はここ3年で右肩上がりで、昨年と比べても延べ来場者数は、18%増、つまり約 5万人も増えたことになります。これまでのデータによると、男性は53%、女性は 47%、年齢は18歳〜24歳が最も多く、全体の 56 %を占めています。もともとアニメエキスポは、UCバークレーのアニメ研究会が始めたイベントで、コアなファンを中心に大きくなってきましたが、今や単純にアニメや漫画が好きな一般客が楽しめるマスイベントに変貌してきました。人気があるのは『One Piece』や 『進撃の巨人』 といった単純明快なストーリーのビッグタイトル。日本で人気の萌え系はニッチですが、それを好むファンもいます。アニメは名実ともに ”クールジャパン“の先駆けとも言えますが、その市場は大きく変わってきています。以前はパッケージと呼ばれるハード (DVD)が主流だったものの、今は違法ストリーミング対策として、大手配信サイトなどで日米同時に映像配信をする会社がほとんど。人気が出てから吹き替え版を作るパターンが多いですね。
また、ライセンシング供与だけでは利益は頭打ちなので、コンベンションを通じてマーケティングを行い、新たなビジネティングを行い、新たなビジネスチャンスを模索する企業が多くなってきています。実際、ここ数年は日本の制作会社によるコンベンション参加が増えており、ブース出店はもちろん、監督や声優が参加するパネルディスカッションやゲスト招へいなどに注力しています。アメリカ人は一方通行ではなく、インタラクティブなPRを好むため、積極的に参加すればするほど、会社や作品の認知度を高められるほか、物販でも大きな成果を上げているのです。アニメエキスポの来場者アンケートでも、来場の一番の目的は「物販」で、日本でしか手に入らないような商品は、付加価値がついて人気を博しています。
さらに近年は、映画やドラマ用のコンテンツを探す目的で来場するハリウッド関係者の姿も多くなりました。それを受けて、私たちも 興味のある方に、ビジネスマッチングの機会を提供しています。


政策の後押しで北米進出企業は増加の一途

【取材協力】
Society for the Promotion of Japanese Animation
事業開発ディレクター
松田 あずささん 
Web: www.spja.org

クールジャパン政策も手伝って、日本からアメリカに進出しようという企業や会社は着実に増えています。今年3月に東京で開催されたJ‐LOP+主催の「J‐LOP+海外イベント合同説明会」で、北米最大のアニメコンベンション主催者として、イベントの説明会と相談会に参加したのですが、大きな反響がありました。実際、今年のアニメエキスポには、日本からの視察団がたくさん訪れていましたね。
アニメは非常に大きな市場ですが、海賊版など取り組まなければならない課題はまだまだあります。今後、進出する企業に求められるのは、正規市場を構築して、日本にきちんとお金を還元できるシステムを作り上げること。そのためには、アメリカを拠点とする企業や団体の協力は欠かせません。いずれは日本の現地法人以外でも、クールジャパン機構の投資を受けられるようになればいいと思っています。



(2015年8月16日号掲載)

アメリカにおけるクールジャパンの今