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ライトハウスの特集

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H-1B申請の実情

Lighthouse編集部


「ビザの申請料金が上がるという話も
あります」(ユア弁護士)

締切前の打ち止め確実
早めの準備が肝要

 基本的にH-1Bの発給数は年間6万5千件と決まっているが、1990年に暫定的にその数を増やし、最高で19万5千件まで、その数が引き上げられていた。ところが、04年度(03年10月から04年9月までの会計年度)より発給数が元の限度枠まで戻ったため、年度末前に限度枠に達し、申請が締め切られるように。07年度は、申請開始から2カ月も経っていない、なんと5月26日には締め切りの発表が行われた。申請は4月1日から始まるが、すでに待っていた人たちの申し込みが殺到し、早い段階での締め切りとなってしまったのだ。

 08年度(07年10月から08年9月まで)は、申請開始と同時におよそ1年近く待っている人たちの申し込みが殺到することになる。08年度の締め切りを各弁護士に予想してもらったが、「毎年締め切りの発表は早くなっているので、4月25日かもしれないし、4月10日かもしれません」(レビン弁護士)、「5月1日以降の申請だとかなり危ないでしょう」(ユア弁護士)と、07年度と同じか、さらに早い締め切りを懸念している。

 「申請の準備は、3月だともう遅いですね。今から始めて、4月1日の受付開始にポンと出せるようにしないと。自分で用意すべき書類は、履歴書(日本の書式ではなく、学歴と詳しい職歴が書かれたもの)、パスポート、ビザ、I-94のコピー(I-20、OPTがあればそのコピーも)、英文で書かれた成績証明書、英文で書かれた卒業証明書、仕事の経験があればその雇用証明書の5つです」(瀧弁護士)。「3月1日に申請をしたいと言っても、もう手遅れの可能性はあります。なぜなら、書類を送った翌日に、締切の発表をする可能性があるからです」(レビン弁護士)。

 バックログが積み重なるこの悪循環(ブラックアウト)は、改善されないのだろうか?
 「常に政府にも働きかけています」(レビン弁護士)そうだが、準備を早くするしかない、というのが現状のようだ。

 また、6万5千件の発給枠とは別に、05年度より追加枠として、2万件の特別枠が設けられた。アメリカの教育機関で修士号もしくは、それ以上の学歴を修得した者のみが対象となっている。しかし、こちらも06年度は1月17日、07年度は7月28日に年間発給数が上限に達したと発表された。こちらも早めに申請した方が無難だろう。

 ただし、このH-1Bの上限枠は、初めて申請するケースについてのみ当てはまり、次のケースについては、この発給限度枠とは別に申請を受理している。
◎H-1B保持者のビザ期間の延長
◎H-1B保持者が雇用主を変更する場合
◎既にH-1Bで働いている者が雇用形態を変更した場合
◎H-1B保持者が2つ目のH-1Bビザを取得したい場合
従って、現在H-1Bを保持している人には、この上限枠によって影響を受けることはない。


移民法に関する今後の動向

 2008年には大統領選が控えているが、その影響で今年は移民法関連で何か動きがあるかもしれない。「選挙が近くなればなるほど、動きはあまりないかもしれません。これから6カ月間を注目したいですね」(レビン弁護士)。また、現在もかなり高額な申請料金だが、さらに上がる可能性もある。「ビザの申請料金などは上がるでしょう。審査はさらに厳しくなるでしょうね」(ユア弁護士)。

 オーバーステイに関しても、厳しさは増している。「180日以上不法滞在し、帰国してまた再入国しようとしても、3年は入れません。1年以上の不法滞在後に帰国し、再入国をしようとすると、今度は10年は再入国できません」とユア弁護士は警告する。

 「オーバーステイは、ビザが切れた時点で始まります。例えば、今年の6月1日まで有効のH-1Bビザ保持者が、今日仕事を辞めたとします。その場合、今日から6月までOut of status ということになり、もしこの間に何かが起こり捕まると、強制送還されます。仮に、6月1日以降も、まだアメリカに滞在するとなると、翌日から不法滞在者になります」(ユア弁護士)。Out of statusとオーバーステイの違いに関しては、非常に複雑なので、弁護士に相談をした方が良いとのこと。
 ただし、「前述のケースの人が、もし新しい仕事を前職を辞める前に見つけた場合、ケースが認可されれば、すぐに新しい職場で働くことができます」(ユア弁護士)。

(2007年2月1日号掲載)