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ファイナンシング

Lighthouse編集部

不動産、投資物件購入のための資金調達に欠かせない、ファイナンスの知識。2人の専門家に基本情報や留意点について聞いた。


アメリカでの
金利の実情と動向

 アメリカで自宅を購入するのに気になるのが金利である。金利はタックスリターンの際に控除にはなるものの、毎月、家計から支出される大きな費用であるため、無理のない返済計画が必要だ。
 「アメリカでの住宅固定金利の平均は10年、20年で俯瞰すると、アップダウンをしながらも下がっています。それが昨年くらいから若干上がる様子を見せています。これが住宅の買い控えの原因の1つにもなったようですが、通常30年のローンを組むことになるので、長いスパンで動向を把握することが必要です」と言うのは、ウィル・インベストメントのピーター吉田さん。

 最近は特に、住宅価格のレベルオフや金利上昇のニュースに伴い、住宅ローンの新規借入・リファイナンスに不安を持っている人も多い。今後の金利・ローンの動向について、Reavan's Mortgage Service社のケニー・キムラさんは、「昨年暮れ頃までは、2007年に金利が下がるのではないかという話も出ていましたが、今年になってアメリカの景気が良いという指標がいろいろ出てきました。04年6月から十数回上がったプライムレートも、しばらくは停滞していましたが、今年は、また上げるのではないかと見られています」と話す。


「信用できるローン会社を選ぶことが、
失敗のない家の購入につながります」
(吉田さん)

賢いローン戦略
リファイナンスを視野に

 渡米間もない日本人が悩まされるクレジットラインや、ローンの動向を踏まえた賢いローンの仕方について、吉田さんは「住宅が過熱気味に値上がりしていた時は、金利にあまり関心を寄せる必要がなく、0%ダウンペイメントや過剰に低い金利に見せる変動金利などでローンを煽るような状況がありました。市場に出される住宅が増えてきている中、今までのような急激な値上がりは期待できませんが、南カリフォルニアは、人口が着実に増え続けており、住宅が値下がりすることもあまり考えられません。ローンの個人審査も若干厳格になっています。クレジットヒストリーの悪い方は、ダウンペイメントが20%以上になることもありますが、収入の変動があっても確実に支払いができるローン計画の組み立てが必要です」と語る。

 一般の消費者としては、毎月のローン支払額が1番気になるところ。それについてキムラさんは「もし毎月のローン支払額を下げたいのであれば、ミニマムペイメント1%のローンもありますが、実際に支払額が下がれば良いのかという問題もあります。ミニマムペイメントだと、元本が増えていくわけです。住宅価格の上昇が期待できるマーケットでは良いですが、今のように下がっていると、返済が非常に難しくなります」と語る。住宅価格の値上がりや低い返済月額に惑わされず、収入に見合った物件を選定し、長期的なローン計画を立てることが必要ということだ。

 では、すでに変動金利など、将来的に不利になる金利で借りている人はどうすれば良いだろうか。
 「2、3年前の平均5〜6%くらいの固定金利で借りている方は問題ありません。1%などの変動金利で借りている方や、セカンドローンをされている方は、要注意だと思います。できるだけ良い条件で、信用できるブローカーや銀行を通じて固定金利にリファイナンスすべきだと思います」と吉田さん。一方、キムラさんも、「03〜04年頃に低金利で、変動型リファイナンスされた方は、その金利が上がってきていますので、リファイナンスした方が良いお客様が増えてくると思います」と話す。

 では、リファイナンスをしたい場合はどうしたらいいのだろうか。
 「例えば今後5年以上住む予定であれば、今でしたら、まだ固定に替えた方が良いと思います。30年の固定ではなく、3年、5年の固定もありますが、今までミニマムペイメントをされてきた方でしたら、実質金利は7%以上に上がってきていますので、固定にした方が金利は安くなります」と、キムラさんはアドバイスする。


ローンとローン会社を
上手に利用する

 今、住宅の購入を考えている人は、新規住宅ローンに関して、どう考えればいいのだろうか。
 「初めて買われる方ですと、20%ダウンペイメントしても、30年固定にすると、毎月の支払いができるかどうかという問題が出てきます。例えば、50万ドルのタウンハウスの購入で、ダウンペイメントが20%、つまり10万ドル、40万ドルをローンします。ミニマムペイメントは別として、固定にしますと6・5%前後の金利になりますから、月々の支払いは2500ドルを越えてしまいます」と、キムラさんは、それぞれの状況によって違ってくるので、専門家のアドバイスを受けるようにと提案する。

 ローン支払いの目安を考える際、まず「PITI」、つまり「Principal(元本)」「Interest(金利)」「Tax(固定資産税)」「Insurance(保険)」、その他のコンシューマーローンの毎月の返済合計額に対し、その約3倍のグロス月収が必要と言われる。現在のカリフォルニアの住宅アフォーダビリティー(平均住宅価格の物件を購入できる所得がある世帯の割合)は、20%を切っている。つまり、普通に銀行に行ってローン申請すると、このガイドラインに従って審査されるので、ほとんどの人はローンが取れないことになる。しかし、実際にはもっとたくさんの人たちが、ローンを取得して住宅を購入しているわけで、ファイナンシャルサービス会社を利用するメリットがそこにある。
 それでは日本人が家を購入するためには、どのようなポイントに気を付けたら良いのだろうか。まず、購入に十分なダウンペイメントを用意できないという人は、どうすれば良いだろうか。

 「その場合は、頭金なしで第1抵当80%、第2抵当20%の100%ローンが利用できます。第1抵当は、6.5%前後の金利として、第2抵当は、クレジットスコアが良い方でも8%、普通は9%から10%ぐらいで、金利は高めとなります」と、キムラさん。
 では、そういったローン知識を助けてくれるローン会社は、どのように選べば良いのだろうか。
 「まず会社の歴史や信用をできるだけ調べてみてください。法律的に問題がある会社の場合、名前を変えて再営業を続けていたりする場合もあります。信用があるところは、長期的に営業しているはずです。また、エージェントの知識が少ないと、最終的にお金を借りる方が不利を被る場合もありますので、見極めが重要です。そして、借りるための条件は、収入やダウンペイメントなどを含めてさまざまで、同じケースはありません。安い見せかけのレートを提示して、条件が悪いことを理由に、通常よりも高いレートを提示されることもあります」(吉田さん)。

 信用できるローン会社やエージェントを探して見極めることから、正しいローンを組み上げる作業が必要なようだ。また、住宅を購入すると、リファイナンス勧誘の手紙が週に何通も舞い込むが、見かけだけの金利には落とし穴があることも想定してほしいと、吉田さんは忠告する。
 南カリフォルニアでは、住宅は足りない状況にある。金利は長期的には下がっており、そろそろ金利の底が踏み固められているような様相もある。「アメリカの住宅金利はかなり低いレベルまで下がってきています」と、吉田さんは話す。今なら買い手に有利に交渉をすることができ、金利も落ち着いたところで無理のないローンの返済計画が組める。


「ローンは個人の状況によって、条件が
違ってくるので、専門家のアドバイスを
受けた方が良いでしょう」(キムラさん)

不動産購入の
税務上のメリット

 最後に、賃貸よりも、不動産を購入した方が、タックスの面で有利になると言われているが、不動産投資の税務上メリットと注意点について、キムラさんはこう話す。

 「住宅ローンの支払金利や固定資産税は控除が認められています。投資物件として賃貸すると、さらに保険・メンテナンス等管理・運営費が計上できます。さらに、売却益が出た場合でも、キャピタルゲイン税を売却時に払わずに済む1031エクスチャンジという繰り延べ方法や、エステートプランニングによる方法もあります。それから住居の場合だと、売却前の5年間のうち2年間住んでいれば、売却益は独身で25万ドル、夫婦は50万ドルまで非課税処置となり、キャピタルゲイン課税対象になりません。ただし、昔に住宅を購入された方の場合、夫婦で50万ドルを超える売却益が出ることもありますので、その場合は、節税のためにトラストの設定を考えていただいても良いかと思います」。

■取材協力[本文紹介順]
ピーター吉田
3550 Wilshire Blvd. #1600, Los Angeles
☎213・276・4460
ケニー・キムラ
Reavan's Mortgage Service
1218 El Prado Ave. Suite 134, Torrance
☎310・320・0588

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(2007年3月1日号掲載)