ライトハウス
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ライトハウスの特集

アメリカでの教育・進学、ビザ・法律、市民権・永住権、観光・レジャー、求人・仕事、グルメ・レストランなど、現地情報誌「ライトハウス」の過去の特集をご紹介。

米系シニアのコミュニティー レジャーワールド(1)

Lighthouse編集部


プライバシーを尊重する
米系シニアのコミュニティー

「ここはパラダイスです」(バクナムさん)

レジャーワールド

空港建設に反対して独立した自治体に
 相互扶助の精神に基づく日本人の美学を最大限に活かしたシニアコミュニティーが、敬老引退者ホームであるならば、個人のプライバシーを尊重するアメリカならではのシニアコミュニティーがオレンジ・カウンティーにあるレジャーワールドだ。レジャーワールドは西海岸で最大規模のシニアコミュニティーで、アクティブな引退後のライフスタイルを確立する55歳以上の人々のために1964年設立された。

 ラグナビーチから内陸部に入ったラグナウッズ市に位置する2100エーカーの広大な敷地は、ゲートコミュニティーになっており、12736軒の住宅が建ち並ぶ。居住者数は1万8000人で、平均年齢は78歳。


愛馬シンバーの世話をするディー・ミラーさん

 レジャーワールドのあるラグナウッズ市は、99年にオレンジ・カウンティーの32番目の市として認められた新しい自治体で、総面積約4平方マイル。そのうち3.8平方マイル、99%がレジャーワールドの敷地だ。要するにシニアコミュニティーが立ち上がって1つの市を作ってしまったのだが、その経緯をレジャーワールドのコミュニティーマネージメントに勤務するウェンディ・バクナムさんはこう話す。

 「96年、すぐ側にあるエルトロ海兵隊基地を商業空港にする計画が持ち上がりました。空港計画に反対したレジャーワールドの住民が、コミュニティーを市制化することによって空港建設を阻止したのです」。


厩舎スーパーバイザーのマイク・セティペインさん

 住民はコンサルタントを雇い、1つの自治体として独立するための道を模索。オレンジ・カウンティーに申請し、98年にカウンティー委員会が認可。99年、住民投票によって承認された。ラグナウッズ市はレジャーワールド以外に、3つの小規模なシニアコミュニティーとスーパーやレストランなどが入ったショッピングセンターで構成されている。市であることから当然市長や市議会も存在し、市長も市議もレジャーワールドの住民だ。会計年度03年から04年の市の予算は840万ドルで、独自の警察所や消防署を持ち、郵便局はレジャーワールド内に所在する。


広大な敷地に広がる18ホールのゴルフコース
は、8ドルでプレイできる

 00年度の国勢調査の統計によると、市民の96.1%が白人で、日系は0.5%(89人)、75歳から84歳が全体の41%を占め、男女比は男性34%、女性66%。女性の長寿が読み取れる。中間年収は3万493ドルだが、最も多いのは年収1万5000ドルから2万4999ドルのレベルで全体の22.2%。社会保障を受給している人が87.8%を占める。また世帯数1万1482戸のうち、家族と同居している人は3877人。シングルのシニアが大半であることがわかる。

 敬老引退者ホームが賃貸アパート形式で「全寮制の学校のようなもの」(ウェードさん)であるのに対して、レジャーワールドは分譲住宅になっている。1ベッドルームから3ベッドルームまであり、平屋、2階建て、高層コンドなど94種類のタイプがある。すべての工事が終了したのは86年で、それ以降の売買は一般住宅と同じように不動産会社を通して行われている。


高台にある競泳用プール。ここからは住民が
空港建設反対を訴えた海兵隊基地跡も見
える

 「住宅価格は一般の不動産と同じで市場に左右されますが、今は27万ドルから高いものでは100万ドルくらいまで幅があります」(バクナムさん)。

 レジャーワールドの住民になるには55歳以上でなければならないが、高齢化社会の加速を考慮すると、投資物件としても値打ちがあるというわけだ。